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鈴木春信展 [美術]

千葉市美術館

ボストン美術館所蔵の鈴木春信の浮世絵展。
春信は初期の色数の少なかった浮世絵が多色刷りの錦絵と発展する時期に活躍した。

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《桃の小枝を折り取る男女》中判錦絵2枚続 明和3年(1766)頃

春信の絵には、浮世絵でよくある吉原の花魁などを描いたものもあるが、目につくのは市井に生きる人たちの日常や、若い恋人達のの初々しい様子などだ。

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《子どもの獅子舞》中判錦絵 明和4-5年(1767-68)頃

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《見立玉虫 屋島の合戦》
中判錦絵2枚続のうち左 明和3-4年(1766-67)頃
2枚続きの右には弓矢を持った若者で那須与一の見立て。
見立てを読み解くには見る方も教養がないといけない。知的な遊び。昔の人は物知りだったんだな、と思うことがよくある。

遊びと言えば、錦絵の誕生には絵暦が深く関わっていた。春信も多く描いていた。

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《夕立》 中判錦絵 明和2年
洗濯物の中にこの年の大の月を示す数字が書かれている。こういうので大の月小の月がわかるなんて、粋というかお洒落というか。

錦絵と言っても春信の頃はまだ色数もそう多くなく、幕末の北斎や国芳のような極彩色とはずいぶん違う。でもそれがかえって品が良いというか、題材共々清楚な感じを受けて好ましい。

今回のはすべてボストンからの里帰りで、保存状態も良くてうっとり。なんか、浮世絵の展覧会ってこう言う里帰り物が多いんだよね。ちょっと複雑。

千葉美のは終わってしまったけど、名古屋に巡回中。http://harunobu.exhn.jp/index.html#header
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