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ムーティ&シカゴ交響楽団 [音楽]

2月3日(日) 東京文化会館

チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調op.64
リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」op.35

3年ぶりの来日。
今回のプログラムは3種。ヴェルディのレクイエム、ブラームスの1,2番。
ヴェルディは曲が苦手なのでパス、ムーティでブラームスかチャイコかと考えるとこちらのプログラムが魅力的。と言うことでこの日を選択。

チャイ5がまるでオペラのように歌に溢れ、各パートがメロディを紡いでいく。こんなにエモーショナルでエロティックささえ感じさせるチャイコフスキーは聴いたことがない。

シェヘラザードではもちろんオケのコンマス始め菅パートソロの名人芸がこれでもかと言うほどに披露される。(延々とアルペジオを弾くチェロトップにも感心ww)この艶やかさ、華麗さ。シェヘラザードの妖艶な物語が目の前で展開されるよう。
立ち上る香気に包まれるようなオケの饗宴にただただうっとり心奪われた至福の時間。

前回のコンビで初来日の時は荒馬を乗りこなす感じだったのがすっかり蜜月。ムーティもここへ来て腕に見合った手兵を得た感じかな。

ムーティは77歳と言うが全く歳を感じさせず相変わらずの若々しさ。かくしゃくなんていう言葉は似合わない。熟練の芸がますます深まる様子に今後がまだまだ期待される。4月の来日も楽しみ。

アンコールがあるとは思わなかったがジョルダーノの「フェドーラ」より間奏曲。甘美で上質なデザート。


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アントニオ・メネセス・リサイタル [音楽]

11月21日(火) 東京文化会館小ホール
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チェロ:アントニオ・メネセス
ピアノ:田村響

ベートーヴェン:ヘンデルの『ユダス・マカベウス』の「見よ、勇者は帰る」の主題による12の変奏曲 ト長調 WoO 45
ショパン:チェロ・ソナタ ト短調 op.65
J.S.バッハ:トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV564より アダージョ
ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ第5番より アリア「カンティレーナ」
ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ第2番より トッカータ「カイピラの小さな汽車」
ヒナステラ:パンペアーナ第2番 op.21
ドビュッシー:チェロ・ソナタ ニ短調
【アンコール】
シューマン:民謡風の5つの小品 op.102 より 第4曲
ヴィラ=ロボス:「アマゾンの森」より “感傷的なメロディ”

メネセスを聴くのは2年前だったか、ピアノのピレスとのデュオ以来。あの演奏会がとても良かったので今回もとても楽しみに。

大学教授みたいな知的な紳士風な風貌のメネセス、演奏もかっちりとして真摯で誠実さが感じられる。弱音からしっかり響く豊潤な音色も美しい。ショパンのソナタの美しかったこと。
意外に面白かったのが後半のヴィラ=ロボスとヒナステラ、お国もの故かノリノリで諧謔味もあり新しい面を見た思い。

ピアノ伴奏は田村響さん。名前は知っていたけど演奏は初めて聞いたが、上手いね~。ショパンのチェロソナタは、さすがショパンなピアノ大活躍だけど、華麗なテクと美しい音色で聴かせる。ヒナステラはピアノも熱演。即席コンビだと思うけど、息もぴったり。今度ソロでも聴いてみたい。

蛇足だがメネセスさんも田村さんも黒燕尾に白いチョッキ、白の蝶ネクタイという正装でした。近頃ではクラシックの演奏会でも珍しい気がしてむしろ新鮮だった。


ウィグモア・リサイタル

ウィグモア・リサイタル

  • アーティスト: ブラームス,バッハ,シューベルト,メンデルスゾーン,ピリス(マリア・ジョアン),メネセス(アントニオ)
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2013/02/27
  • メディア: CD



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ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 [音楽]

11月20日(月) サントリーホール

指揮:ダニエレ・ガッティ
ヴァイオリン:フランク・ペーター・ツィンマーマン
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調op.61
(アンコール J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番より「アレグロ」BWV1003 (ヴァイオリン・アンコール)
ブラームス:交響曲第1番ハ短調op.68

前半はツィマーマンとのベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。先週のカヴァコスとは対照的なかっちりした音楽。楷書の技。音が豊かで美しい端正な演奏。このベートーヴェンは好み!

コンセルトヘボウ管はかつてのいぶし銀な響きではなく、音が若返ったみたい。それともガッティの躍動的な指揮に引っ張られてか、とても前向きで明るいブラ1。木管の音色が美しくため息ものの第二楽章は至福。ガッティは聞く人を元気にしてくれる。
でも個人的にはブラームスはもうちょっと渋い演奏が好き。ガッティはロッシーニとか凄く良いと思うけど。

ともかく、さすがは世界のトップ・オケの一つという貫禄の演奏。
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ゲヴァントハウス管弦楽団 [音楽]

11月12日(日) サントリーホール
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オーケストラ: ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
指揮: ヘルベルト・ブロムシュテット
ヴァイオリン: レオニダス・カヴァコス

プログラム
メンデルスゾーン: ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64
ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調(ノーヴァク版)

楽団設立275周年、マエストロ90歳、ソリスト50歳、と節目が重なった。そしてプログラムは、このオーケストラが初演した曲ばかり。歴史を感じさせる。

1曲目のカヴァコスのヴァイオリンは、瑞々しく弱音まで綺麗に鳴って美しかった。ロマンティックな演奏はメンコンによく似合う。と言って安っぽいメロドラマ調ではない。品があって流麗。メンコンってヘタするとベタな音楽だけとブロムシュテットもさすがに端正な音で支えて素晴らしい。

だがもっと凄かったのはブルックナー7番。深遠とでも言うしかない。深々とした森をブロムシュテットに導かれて進むような喜び。そして最後に行き着く恍惚感。頭の遙か上から光が差してきたような感覚はいったい何だったのか。ブルックナーは苦手な私だが、気がついたら涙が出ていた。

ゲバントハウス管は弦はしっかりと鳴り、木管は透明感ある音色でそれに乗り。さらに金管は圧巻の響き。ドイツ音楽ってこの音よね~!と思わせてくれる。柔らかみがあって、厚みもあるのに音色には透明感がある。ちょっと他ではこういう響きは聞けない。ほんとにほんとに素晴らしかった!

そしてこの日は観客も素晴らしかった。ブル7の最後の音が鳴って余韻がホールに吸い込まれていき、ブロムシュテットさんがゆっくりと手を下ろしきるまで、拍手もブラボーも起こらなかった。あの静寂が永遠に続けば良いのにとさえ思った。おそらく客席全員がその思いを共有していた。ありがとう。

それにしてもブロムシュテットさん、90才とは思えない。椅子も使わず1時間を超すブルックナーを指揮し、何度も舞台袖から現れて最後まで疲れた様子も見せずにこやかに拍手に応えて下さった。20年くらい前からいつ見納めになるかと心配しているが、またいらしてほしいものだ。


ベートーヴェン : 交響曲全集 (Beethoven : The Complete Symphonies / Blomstedt | Gewandhausorchester) [5CD] [Live Recording] [輸入盤] [日本語帯・解説付]

ベートーヴェン : 交響曲全集 (Beethoven : The Complete Symphonies / Blomstedt | Gewandhausorchester) [5CD] [Live Recording] [輸入盤] [日本語帯・解説付]

  • アーティスト: ヘルベルト・ブロムシュテット,ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団,ベートーヴェン
  • 出版社/メーカー: accentus music / King International
  • 発売日: 2017/10/10
  • メディア: CD


このコンビでの最新盤。演奏会の感動冷めやらず、思わず購入。

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諏訪内晶子&マリオ・ブルネロ& ボリス・ベレゾフスキー特別公演 [音楽]

5月31日(水) 紀尾井ホール

出演
諏訪内晶子(Vn),マリオ・ブルネロ(Vc),ボリス・ベレゾフスキー(Pf)

曲目
グリーグ:ノルウェー舞曲 op.35 (ソロ・ピアノのための)
コダーイ:ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲
チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲 イ短調 op.50「偉大な芸術家の思い出」

アンコール
ブラームス:ピアノ三重奏曲第2番ハ長調 作品87より第2楽章

チェロのブルネロ目当てで行った演奏会。諏訪内晶子は前に聴いたことあったっけ。ベレゾフスキーは初めて。

1曲目、ベレゾフスキーのソロ、音が鳴った途端にその音量にびっくり。でか!ガンガン引きまくる。うわ、こういうピアノ初めて聴いたかも。なんか呆気にとられてしまった。でももちろんテクニックは完璧。

2曲目のコダーイのデュオの豊かでスリリングな音楽に引き込まれる。難曲コダーイがこんなに面白いなんて!ブルネロの音の豊潤さは相変わらず素晴らしく満たされる思い。

後半、チャイコフスキーの偉大な芸術家の思い出。これが息をのむような素晴らしさ。それぞれがヴィルトゥオーゾとして屹立しながら息を合わせて見事な調和。あのいささか長ったらしい曲を最後まで引きつける名演。面白かった。楽しかった!多分本人たちも楽しんでた。

一曲目のベレゾフスキーの爆音聞いたときは、この人アンサンブルできんのかなと不安になったけど、流石やるときはやるのねえ。(^o^;

そしてブルネロのチェロやっぱり好きだわ~。朗々として温かい血の通った音。音そのものが歌ってる。一音聴いただけで、うっとりする。また聴きたい。
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ジャン=ギアン・ケラス&アレクサンドル・メルニコフ演奏会 [音楽]

3月2日 王子ホール
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ジャン=ギアン・ケラス(チェロ)
アレクサンドル・メルニコフ(ピアノ)

オール・ベートーヴェン・プログラムの第一夜。
モーツァルト『魔笛』の「娘か女か」の主題による12の変奏曲 ヘ長調 Op.66
チェロ・ソナタ 第1番 ヘ長調 Op.5-1
********** 休憩 **********
モーツァルト『魔笛』の「恋を知る男たちは」の主題による7つの変奏曲 変ホ長調 WoO46
チェロ・ソナタ 第2番 ト短調 Op.5-2

アンコール
ドビュッシー:チェロ・ソナタ ニ短調 より 第1楽章
ヴェーベルン:3つの小品 Op.11

なんだかんだ毎年のように聞いているケラス。今回はメルニコフとのベートーヴェン。すでにこのコンビでCDも出ていて、待望のリサイタル。
相変わらず、ケラスのチェロは端正で緻密でシャープ。重厚長大とは正反対。どこか自由な空気をまとっているようで、いつ聞いても新鮮。とはいえ、そういう彼の特性がベートーヴェンと相性が良いかというと、どうなんだろう。少なくとも私の好きなタイプのベートーヴェンではないかも。まあそれはCDを聞いたときから感じていたけど。趣味の問題だけど。
第一夜のプログラムは、ベートーヴェン初期の作品なので、ピアノの比重が大きい。わりとバリバリ鳴らすメルニコフのピアノがホールのせいかちょっとうるさく感じられるところもあったりしたけど、最後の第2番など終わりに向かってだんだん熱を帯びてきて圧巻。

でも、アンコールのドビュッシーとウェーベルンを聞いたら、ああやっぱりケラスは20世紀の音楽が向いてるなあ、と激しく感じてしまった。思えば、最初にケラスをすごいと思ったのはバルトークだったものね。

そろそろ、アルカント・カルテットの新作も聞きたい。ますますの活躍を期待。
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パリ管弦楽団 [音楽]

11月24日(木) 東京芸術劇場

指揮:ダニエル・ハーディング
ヴァイオリン:ジョシュア・ベル
管弦楽:パリ管弦楽団

ブリテン/ オペラ《ピーター・グライムズ》から 4つの海の間奏曲
ブラームス/ ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.77
ベルリオーズ/ 劇的交響曲「ロメオとジュリエット」 op.17 から(抜粋)
     ロメオひとり  キャピュレット家の大宴会        
     愛の情景
     マブ女王のスケルツォ
     キャピュレット家の墓地にたたずむロメオ

今年9月にパリ管の音楽監督に就任したばかりのハーディングとのコンビのいわばお披露目。

パリ管というとつい管セクの素晴らしさに耳が行くが今回は弦の良さに瞠目。ブリテンの最初の音で、おや、と思った。透明感のある美しい音色に聞き惚れた。もちろん管は言うまでもなく華麗で豊潤。ああ耳の保養した。

ブリテンでは不穏な響きの中に心を刺激する美しさと激しさが感じられた。
ジョシュア・ベルとのブラームスはベルの疾走感ある演奏と相俟って、聞き慣れた重厚なものとはひと味違う爽快な響きがとても新鮮だった。もっとも、私の好みのブラームスではなかったけれど。とても若々しい、颯爽としたブラームス。スポーツカーですっ飛ばしてるような。ほほ~、こういうのもありか。

初めて聞いたベルリオーズのロメジュリも機知に富んだ音楽がおもしろく、パリ管の芸を堪能。特に管セクはやっぱり凄い。ハーディングは理知的でさっそうとしていて、聞かせどころをきっちり。良いコンビになりそうな予感。デビューとしては上々。

何だろうな、華麗なサウンド、というのはちょっと違う。もちろんいぶし銀でもない。とても上質で品があって美しい音だった。前聴いたときとは何か変わったように思う。また聴きたい。

アンコールなしで、終演が9時20分くらいという長いプログラムだったが、飽きることなく楽しんだ。他のプログラムも聞きたかったな。
        
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内田光子&マーラー・チェンバー・オーケストラ [音楽]

11月4日(金) サントリーホール

指揮とピアノ : 内田光子
マーラー・チェンバー・オーケストラ

モーツァルト : ピアノ協奏曲第19番 ヘ長調 K459
武満徹  : 弦楽のためのレクイエム
モーツァルト : ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K466


内田光子さんの名前を初めて知ったのは、30年くらい前、ジェフリー・テイト指揮のイギリス室内管とモーツァルトの協奏曲全曲集のCDを出し始めた時。その時買った、20番と21番のCDは今も愛聴盤。これまで生を聴く機会はなかったが、その20番をやると知ってどうしても聴きたくなり、足を運んだ。

内田さんのピアノは、繊細で、音の粒が立ってキラキラ光るようで、と言っても真珠のような優しい光であくまで上品。と言ってただ綺麗なだけではなく、芯が通って意志の強さも感じさせて気高い。本当に素敵だった。

オケの評価にはやや迷う。上手いしアンサンブルも良い。でも音が若い。よく言えば勢いがある。悪く言えば繊細な陰が足りない。特に20番の協奏曲の短調。”モオツアルトのかなしみ”とも言うべき儚さがもっと感じられたら、と思う。

アンコールは内田さんのソロでスカルラッティのソナタ。これがまた美しくて天上の音楽みたいだった。まさしく心が洗われるような。良いものを聴かせてもらったなあとしみじみ。ありがとうございました。

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ブロムシュテット指揮バンベルク交響楽団 [音楽]

11月2日(水) サントリーホール

ベートーヴェン : ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.61
       : 交響曲第5番 ハ短調 op.67 「運命」

指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
ヴァイオリン:諏訪内晶子
バンベルク交響楽団

ブロムシュテットとバンベルク響の組み合わせを聞くのは4年ぶり。御年89歳のブロムシュテット、正直言ってまた聴けるとは思ってなかった。望外の喜びとはこのこと。

前半は諏訪内晶子のソロでベートーヴェンの協奏曲。諏訪内の美しく伸びやかな音がこの曲の抒情的なメロディーを際立たせてたおやかな響き。ブロムシュテットの指揮も端正で清潔で何とも美しい。とてもロマンティックなベートーヴェン。

もっとも諏訪内の音は綺麗すぎて上澄みのようで好みではないけど。もう一つ興趣がわかないというか。もうちょっと太い音色の方が好きなの。

後半は「運命」。
バンベルク響の音はよく鳴ってるのにうるさくないし、変な圧迫感もない。ノン・ヴィヴラート奏法のせいかとても自然で気持ちのいい音。音楽も押しつけがましさがなくて、それでいてメリハリはきっちり。運命第二楽章のメロディの受け渡しの楽しげなこと!そして第三楽章から第四楽章への入り口のスリリングな響きの変化。音楽の愉悦に満ちた空間が心地よかった!

バンベルク響って凄く上手いわけじゃないと思う。例えばベルリン・フィルやシカゴ響のような圧倒的な力はない。でもブロムシュテットの真摯で誠実な指揮にきちっと向き合って、とても密度の高い心に響く演奏。胸が熱くなって涙が出そうなくらい。

アンコールは「エグモント」序曲で、これがまたがっしりとした熱演。オケもどんどん乗ってきて、最後に何か解き放たれたような音で、ホールは熱気に包まれた。

ブロムシュテットはかくしゃくと言うのが失礼に思えるお元気さ。もちろん椅子など使わず。熱血とか若々しいとも違う、とにかく自然体の伸びやかさ。その背筋の伸びた音楽に対する誠実さ真剣さが温かく胸に響いて、ああ、音楽って良いな、ベートーヴェンって凄いなぁとしみじみ思えた。ただただブロムシュテットさんに感謝。どうぞお元気で、また素晴らしい演奏を聴かせて下さい。


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ジャン=ギアン・ケラス リサイタル [音楽]

6月22日(水) 杉並公会堂
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プログラム
バッハ : 無伴奏チェロ組曲全曲

ケラスの演奏会、ちょっと久しぶりかな?アルカント・カルテットもすっかりメジャーになって前回はチケットが取れなかったし。
今回の来日では、他の会場では中東の楽器との珍しいアンサンブルなどをやるようだが、無難な(?)こちらのプログラムを選んだ。

無難と言っても、チェロの作品として至高の名曲、それも全曲を一晩でと言うから大変である。10年くらい前王子ホールでやった時は3曲ずつ二夜に分けてだったはず。
演奏は作品番号順に、2曲ずつやって休憩を入れるパターン。もちろん、全て暗譜。

重厚長大とは無縁。軽やかで浮遊感がありながら深遠で鋭いバッハ。
何度も聴いてる曲のはずが、聞き逃していた部分に光が当たるような新鮮さ。軽やかな1番にはじまり、4番なんて現代音楽のかけらが混ざるような面白さ。後半、5番の晦渋が滲む深み。そして最後の6番のひたすら高みを目指すような、バロック建築のような構築性。
あざやかでありながらあくまでも端正で、真っ直ぐに心に届く。

ふうう。やっぱり凄いの一言。ちょっと遠い会場だったけど、聴きに行ってよかった。

こんなプログラムの後、アンコールなんてやらないよね、と思ったのに
クルターク : シャドウ
デュティユー : ザッハーの名による3つのストローフェ より

と2曲もやってくれた。バッハの後でバリバリの現代曲をやるところがケラスらしい。そしてそれがまたさらっと絶品で。アンコールと言うにはもったいないような贅沢すぎる口直しでした。
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