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美濃の茶陶展 [美術]

サントリー美術館
https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2019_4/index.html
黄瀬戸、瀬戸黒、志野、織部という美濃の焼き物の展覧会。
驚きなのは、これらが美濃(岐阜)で焼かれていたのがわかったのは昭和になってからで、それまでは瀬戸地方(愛知)だと考えられていたという。何も弥生時代の話ではない、桃山時代のことなのになぜそんなことになったんだろう。いくらでも資料が残っていそうなのに。不思議だ。

まあそういう学術的なことはさておき、展覧会としてはそれぞれの特徴を示しながら名品を並べていて、わかりやすく楽しめる。
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志野茶碗 銘 橋姫

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織部州浜形手鉢
どちらもそれぞれの特徴がよく表れている。

黄瀬戸は文字通り黄色い地、この展覧会で取り上げられている中ではいちばんシンプル。
一方瀬戸黒は、黒楽と通じるような豪胆な様子。

古陶だけでなく、昭和に入って美濃の研究に打ち込んだ荒川豊蔵と加藤唐九郎の作品もあり、新しい美濃の姿を見せてくれる。
また、有名コレクターの収集品もあって、数寄者の目にかなった品々を見るのは楽しかった。

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高麗茶碗展 [美術]

三井記念美術館
http://www.mitsui-museum.jp/exhibition/index.html

16世紀から17世紀にかけて高麗(朝鮮)で焼かれた茶碗。室町時代日本で佗茶の興隆に伴ってそれまでの唐物に変わって茶の湯の茶碗の主流となった。
三島、粉引、井戸といった分類も細かく分かれていて素人にはやや難しいところもある。
また、色絵や染付と違って柄が面白いというのとも違う。
だが、形と釉薬の融合によって作り出された同じものが一つとしてない茶碗は、派手さはないが滋味溢れる美しさがあって、見飽きない。

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大井戸茶碗 武野井戸 銘蓬莱
日本の黄瀬戸に近い感じ。影響を与えたのかも。

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粉引き茶碗 三好粉引
これらは朝鮮で日常的な器として焼かれ、日本で茶の湯の茶碗として用いられたもの。

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御所丸茶碗
こちらは日本向けに焼かれた器。日本の需要(?)を意識してか、装飾的になってきている。

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御本立鶴茶碗
御本茶碗というのは、対馬藩が釜山の倭館で日本の大名などから注文を受けて作らせていたもの。従来の高麗茶碗とは趣が変わってきている。
ちなみにこの茶碗の鶴の絵は徳川家光の下絵を用いたとされているが、家光の絵と言えばあのへったくそなゆるキャラのような絵を思い出してしまい、ちょっと笑いそうだった。

一言で高麗茶碗と言ってもいろんな種類があり、それが日本に渡って、和陶の発展に影響があったのがよくわかって面白かった。
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