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ロンドン・ナショナル・ギャラリー展 [美術]

国立西洋美術館
https://artexhibition.jp/london2020/

本当は春から開催の予定だったが、コロナの影響で延期になっていた。中止にならずに開催されて本当に良かった。ボストン美術館展は中止になってしまったもんね。

展示はイタリア・ルネッサンス絵画に始まり、オランダ絵画、イギリスの肖像画、などから最後はフランスの印象派まで、西洋絵画の主な歴史をたどるような構成。全作品日本初公開だそうだが、画家はほとんどが有名作家で名品がずらり。

イタリア・ルネッサンス絵画では、ボッティチェリ、テツィアーノ、ティントレットなど。

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ギルランダイオ「聖母子」1480-90年頃
色が本当に美しい。マリア様の衣装の金糸の縁取りのなんと繊細なこと。そして聖母子なのにやけに普通の母子っぽい親しみやすさ。ギルランダイオはミケランジェロの師匠でいわばルネッサンス絵画の草分け。その後のボッティチェリやラファエロに繋がる聖母子像の基本と言えるのだろう。

オランダ絵画ではフェルメールやハルスの人物画や静物画が並ぶがなんと言ってもレンブラント。

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レンブラント「34歳の自画像」1640年
34歳当時のレンブラントはいわば人生の絶頂期。自信にあふれた顔、高価そうな服(実は当時より100年ほど前の衣装。偉大な先達に自らをなぞらえていた?)。まあとにかく惹きつけられる。

イギリスの肖像画コーナーはヴァン・ダイクの影響を受けたレノルズ、ゲインズバラなど。

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ゲインズバラ「シドンズ夫人」1785年
モデルは当時美貌で人気だった女優だそう。確かに絶世の美女。あえて宝石などで飾り立てず華美すぎない服がかえって美貌をひきたてる。クールな表情さえも魅力的。ゲインズバラは風景画家でもあるが、人物画も素晴らしい。いやむしろ人物画の方が好き。

次の章はグランド・ツアーと題して、イギリスの良家の子息がイタリアにいわば物見遊山に出かけた折に求めた現地の風景画。カナレットのヴェネツィア風景など。

次はスペイン絵画で、ムリリョ、スルバラン、エル・グレコ、ベラスケス、ゴヤと大家が並ぶ。充実度ではこの章がいちばんだったかも。

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ゴヤ「ウェリントン公爵」1812-14年
モデルはスペイン独立戦争で活躍したイギリス軍人。フランスを打ち負かしてマドリードに入城した際に描かれた絵。なので勲章をいっぱいつけて威厳を示しているものの、表情はどこかぼんやり。ここがゴヤらしいところと言えるか。どんな偉い人でも内面を映し出してしまうゴヤの腕。解説ではゴヤが公爵がどれだけの苦労を経てその栄光に至ったか、を描くという近代性の持ち主だったと指摘。ちなみに公爵はこの絵が気に入らなかったようでイギリスに帰国後すぐに人にあげてしまったとか。さらにこの絵は1961年にナショナル・ギャラリーで展示中に盗難に遭い、4年後に戻されるという数奇な運命に見舞われている。

次の章は風景画とピクチャレスク。18世紀からイギリスで受容が高まった風景画。ロラン、コンスタブル、ターナーなど。

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ターナー「ポリュフェモスを嘲る(あざける)オデュッセウス」1829年
印象派の先駆者とも言われるターナー。空と海が溶け合った中に神話世界の物語を描いている。とは言っても解説を読まないと、正直どこに何が描かれているのかよくわからないくらい曖昧模糊としていて、でもそのなんだか不思議な空気と光の混ざり具合が後の印象派に繋がっているんだなと思う。

そして最終章はフランス印象派。ここはモネ、ルノワール、ドガなど大御所がずらり。この部屋だけでも印象派好きなら興奮しそう。

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ゴッホ「ひまわり」1888年
ゴーガンとのアルルでの共同生活のために描いたひまわり。ゴッホは全部で7枚のひまわりを描いたがその4枚目で最高作と言われる。ゴッホの高揚した心が圧倒的な黄色の洪水に反映されているのだろう。ある意味、ゴッホがいちばん幸せだった時の絵。

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ゴーガン《花瓶の花》 1896年
ゴッホを出したらゴーガンも出さないとね。展覧会はチラシを始めゴッホのひまわり推しだが私はゴーガンの方が好き。綺麗だけれどそれだけじゃなくてどこか引っかかる。物憂げでけだるい甘い匂いがする気がするのはタヒチの絵を連想するからだろうか。

とまあ、ここに出したのはほんの一部。全61作品日本初公開という大盤振る舞い。普通だったら行列ができるところを、幸か不幸か時間予約制でゆっくり見られるありがたさ。この機会を逃す手はない。


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リュカ

ほんっと開催されて良かったですよね。
コロナ前は、混雑覚悟してましたが
わたしも快適空間で観ることが出来ました。
by リュカ (2020-07-16 09:44) 

mami

リュカさん、
ほんとに、こんなに贅沢に見せていただいてすいません、って感じでしたね。ありがたかったです~。
by mami (2020-07-16 20:53) 

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