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表現への情熱 カンディンスキー、ルオーと色の冒険者たち [美術]

汐留パナソニックミュージアム
https://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/17/171017/

カンディンスキーとルオーに交流があったとは知らなかった。生きた時代はほぼ重なるが、主にドイツで活躍したカンディンスキーとフランスのルオー。だが、パリのサロン・ドートンヌにカンディンスキーが出品し、カンディンスキーの率いるミュンヘン新芸術家協会の展覧会にルオーが出品するという時期がありそれぞれがフォーヴィスムとドイツ表現主義の拠点となった展覧会で、互いの運動への関心を深めていたこともうかがえる。
この展覧会は、この二人とクレーを加え、、また二人を取り巻く画家達の作品で、特に色彩表現の変遷を観て行く。

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ヴァシリー・カンディンスキー
《商人たちの到着》
1905年 
カンディンスキーと言えば後年の抽象絵画が有名だけど、若いときはこういう具象画も描いていて、これが結構好み。これなんか、ロシアの民話の世界みたい。この、枠を黒い線ではっきり描いた感じがそういえばルオーのステンドグラス風の絵と似ているかも。

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ガブリエーレ・ミュンター《抽象的コンポジション》1917年
ミュンターはカンディンスキーのパートナーでもあった女流画家。ただし、これが描かれた年は既に破局の後。でも影響は一目瞭然。

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パウル・クレー《橋の傍らの三軒の家》
具象画から抽象画への過渡期を感じる。クレーも色使いが素敵な画家だ。

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ヴァシリー・カンディンスキー
《活気ある安定》
1937年
上の絵から30数年でこの変化。
でもカンディンスキーの色彩感は好きだ。私の場合、具象でも抽象でも色使いが綺麗だとそれでいいと思っちゃうところがある。逆に言えば、具象画でも色が暗かったり汚かったりする絵は嫌い。

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ジョルジュ・ルオー 《ヒンデンブルグ》
正直なところ、ルオーとカンディンスキーらがどの程度影響を与え合ったのかはよくわからなかった。ルオーとマティスのような親密な交流があったわけでもなさそうだし。でもそれぞれの若い頃からの変遷を色彩表現の変化に着目してみるというのも面白かった。
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