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山口蓬春展 [美術]

日本橋高島屋

(既に終了)
蓬春の絵は、もちろんいろんな展覧会で見ることはあったが、まとめて観たのは初めて。そして経歴(画歴?)も良く知らなかったが、最初は油絵からスタートして日本画に転向したというのに驚いた。

蓬春というと、私はモダンな洋画風な絵を思い浮かべるけど、若い頃は純日本画風(と言うのも変だが)の大和絵を描いており、まずはこの分野で第一人者となった。
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「緑庭」(1927)
古典的な大和絵様式の絵に学んだ作品。へえ、こういうのも描いてたのか。知らなかった。

そこからやがて洋画風モダニズムを研究し、簡略化された線と美しい色使いで「新日本画」と言われる作風を確立していく。
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「泰山木」(1939)
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「望郷」(1953)
この作品は本作だけでなく、下絵2種類も展示。創作過程がうかがえる。そして、そのうち1枚はくま好きだった六代目歌右衛門に贈られたというのも微笑ましい。
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「夏の印象」(1950)
私なんかが蓬春というとイメージするのはこういう洋風の絵。初めて見た時は、これが日本画?ととても新鮮だった。

晩年はリアリズムを追求したり、純日本画風の花鳥画を描いたり(皇居の装飾を手がけたり)、留まることなく変遷を続けた。
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「新冬」(1962)

若い頃の作品はほとんど知らなかったので、とても新鮮に感じ、また一度ある画風で名声を得てもそこに安住せず新しい絵を描き続けた姿に頭が下がる。モダンな日本画の道を切り開いた人だったんだな。見に行って良かった。

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