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松竹大歌舞伎 [舞台]

11月1日(日) 羽生市産業文化ホール

2015巡業.JPG

菊ちゃん初役の宗五郎を見るために、ちょっと遠いと思ったがチケット取った。そうしたら当日東武線が前夜の事故で運休やら遅延やらでぐちゃぐちゃで、予定より羽生の駅に着いたのがだいぶ遅くなり、そこからまた会場まで徒歩20分、必死で歩く羽目に。(タクシー乗り場は長い列で、絶対間に合わないと判断)会場に着いたのが開演3分前くらいだったか。もうゼエゼエ言っていました。きっとこの先菊ちゃんが魚宗やるたびに、この時のこと思い出すだろうなあ(苦笑)。

一、教草吉原雀(おしえぐさよしわらすずめ)

鳥売りの男実は雀の精 尾上 松 也
鳥売りの女実は雀の精 中村 梅 枝
鳥刺し実は鷹狩の侍 坂東 亀三郎

松也クラスを相手だと、梅枝の方がリードしてるように見える。恐ろしい子!
なりは鳥売りだが踊りの内容は吉原の遊女で、はんなりおっとりとした色気が、熟すちょっと前といった風情で、清潔感もあるのに何とも言えない色っぽさを感じさせる。ふふ、松也君なんていちころよ。
松也の方もすっきりとした二枚目。踊りはもうちょっとがんばって。
亀三郎の鳥刺しが勇壮。ぶっ返りもあり堂々たるもの。美声が効果的。(そういえば、先月は「阿古屋」の岩永で台詞がなかった。。。)
短いが華やかで、巡業の幕開きにはぴったりの踊り。


新皿屋舗月雨暈 二、魚屋宗五郎(さかなやそうごろう)

魚屋宗五郎 尾上 菊之助
家老浦戸十左衛門 坂東 亀三郎
宗五郎女房おはま 中村 梅 枝
磯部召使おなぎ 尾上 右 近
小奴三吉 中村 萬太郎
磯部主計之助 尾上 松 也
宗五郎父太兵衛 市川 團 蔵

将来菊五郎を継ぐ身としては、いずれはやるだろうと思っていたが、え、もうやるの。まだ良いんじゃないの。と言う声が大勢。若くて綺麗な菊ちゃんの宗五郎、ちょっと想像できない。まあそれを言えば、7月の知盛はもっと想像できなかったけどね。
その宗五郎は、実に良く菊五郎のを写してきたな、と思える出来。これだけきっちりコピーするのも凄い力だと思う。もちろん、親父様のような軽みや運びの自然さ、おかしみが出ているわけではない。こういったものは、回を重ねて身につくものなんだろう。これから何十年もきっとやっていくお役。どう深めていくか、ずっと観ていきたい。
初回は観てる方がちょっと肩が凝っちゃったかも。酔う前の、父親らに道を説くところなどはまずまず。だんだん酔っていくところは難しいね。暴れるのが取って付けたようで。磯部屋敷玄関前での「酔って言うのじゃございませんが」のところ、ぐだぐだの中に怒りと悲しみがもっとないまぜに見えてほしい。まあ、言い出せばいろいろあるが、とりあえず、美しすぎる酔っぱらいでした。

梅枝のおはまがこれまた上手い。梅枝も初役のはずなのに、菊ちゃんよりこなれた雰囲気があるのはどういうこと。下町の気の良い、亭主思いのおかみさん。ま、ちょっと綺麗すぎるけど。
團蔵はこの座組では上置きで、さすがにしっかりと脇から若い人たちを支えている感じ。菊五郎の宗五郎にも同じ役でやってるんだから安定感は抜群。菊ちゃんも安心できたと思う。

萬太郎の三吉、そそっかしいが気の良い小奴の味があって、可愛い。
右近のおなぎも手慣れた感。品の良い武家娘の様子が似合う。

亀三郎の家老というのはちょっと気の毒。でも誠実で律義な雰囲気は良く出ていた。
松也の殿様、自分で「癇性」と言う短気そうな、でも根は悪人じゃないお殿様の様子がありまずまず。
最後の場面、菊之助、亀三郎、松也と声の良い人が揃って耳福なのに、会場の音が悪くて変に響いて割れたような感じになっていたのが残念。
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