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「福田平八郎と日本画モダン」展 [美術]

6月17日(日) 山種美術館
http://www.yamatane-museum.jp/exh/current.html
ちらし.JPG
国立劇場で鑑賞教室を観た後、まだ時間が早いので恵比寿に足を伸ばした。

福田平八郎展は、何年か前に京都で観ていて、その時がはっきり名前を覚えた最初の機会だったくらい無知。でもそれがとても良い展覧会だったので、この山種のも楽しみにしていた。

実際に行ってみると、福田の絵は全体の3分の1くらいだろうか。福田とほぼ同時代に活躍した他の日本画家たちの絵が多くて、ちょっと肩透かし。いや、それらの絵もとても良かったんだけど、福田の絵をもっとがっつり観たかったな~、と言うのが正直なところではある。
この展覧会の趣旨としては、福田をはじめとする日本画の優れたデザイン性に注目、と言うことのよう。

チラシの絵「雨」は後期展示のため観られず。
前期の目玉(?)はこちらの「漣」
漣.JPG
これは前の京都の展覧会でも観ていて、とても素敵だったのを覚えていて、再会できて嬉しい。
写真で見ると、地が白く見えるかもしれないけれど、これは実は金箔の上にプラチナ箔を重ねたものだそう。制作時の逸話が紹介されていて、福田さんは表具師に銀箔を注文していたのに、間違って金箔のが出来てきて、作り直す時間がなかったのでその上にプラチナ箔を貼ったんだとか。でもそのために、金箔だけでもプラチナ箔だけでもない、微妙な色合いが出来たと言うからまさに怪我の功名。
地の上にただ群青を置いていっただけの単純な構図が、前に立ってみると本当に水面が揺らめいているよう。

筍.JPG
「筍」
2本の筍がにょっきり黒々と描かれている背景は竹の葉が一面に散り積もった様子を線だけで描くシンプルさ。
福田の絵の楽しさは、細部の写実性と大胆な省略のコンビネーション。

IMGa.JPG
「彩秋」
線のような薄と、柿の葉だろうか、が彩り豊か。なんかこういうの見たことある、と思って考えたら抱一を思い浮かべた。
そう、モダン、と言うけれど、デザイン性というのは日本画の得意としてきたところじゃないか。別に新しくもないんだよね。

福田以外の作品も、そういう「デザイン性」に優れた絵を並べている。

神泉.jpg
徳岡神泉「芋図」
余分なものを一切省いたすっきりとした構図が美しい。

この他にも前田青頓、小野竹喬、奥村土牛などそうそうたる日本画家の絵が楽しめる。
前後期で入れ替え有り。
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