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6月歌舞伎鑑賞教室 [舞台]

6月17日(日) 国立劇場

今月の鑑賞教室はいまいち興味が持てなくて行かないつもりだったけど、幕が開いたら割と評判が良いので行ってみることに。

はじめの解説は廣太郎君。20才だって。最近の鑑賞教室はこういう若い人にやらせて、中高生の興味をひこう、と言うパターンが多いね。今回の廣太郎君は割と真面目一方で、特別変わった仕掛けもなく、まあ行儀は良いけどもう一工夫あった方が良いような気はした。

出し物は俊寬。

             
近松門左衛門=作
平家女護島(へいけにょごのしま)
俊寛 (しゅんかん) 一幕
   鬼界ヶ島の場

橋之助の俊寬、團蔵の瀬尾、権十郎の丹左衛門、芝喜松の平判官康頼、芝のぶの成経、児太郎の千鳥

橋之助の俊寛は初見。品があって情があってとても良かった。吉右衛門などと違って、まだ若くて色気もあって妻への恋心溢れる様子が優しくて哀れ。
千鳥に代わりに船に乗れ、と言う場面が、本当に東屋がいない都には帰る気になれないんだなあ、と思わせた。
幕切れ、絶望というよりは悲しみで打ち砕かれそうで寂しげで、なんか母性本能をくすぐられる俊寛でした。

赦免の船が着いて、他の流人の後から出てくる時吉右衛門は二人を押しのけるように間を通って出るのが、橋之助は二人をよけて横から出てきたのが、妙に行儀良く見えて面白かった。もっとも、吉右衛門はあの動作一つで俊寬の性格を表してると思うが。

芝のぶ、芝喜松の女形による流人コンビがなかなか。配役を見た時は「嘘だろ?」と思ったけど。
特に芝喜松、品と落ち着きがあって、さすがにしっかりした演技。
芝のぶの立ち役なんて初めて見たが意外に無理ない二枚目ぶり。千鳥との馴れ初めを語るところなどはもうちょっと積極的にやってもと言う気も。おとなしめな感じだった。
二人とも行儀良いのがなにより。

團蔵の瀬尾は憎たらしい感じはさすがに上手いが、時々三枚目敵ふうに崩れるのが気になる。この瀬尾はそう言うのはいらないと思う。
権十郎の丹左衛門も、元来二枚目役者とは言えないのでやや苦しいが、まあ手堅くやってはいた。

見る前いちばん心配だった児太郎の千鳥は一生懸命は伝わる。あの裸武者を思えば格段の進歩。クドキも懸命。可愛さはあり、ある意味パパより行儀は良かった。が台詞は相変わらず棒読み。まあまだ18才。がんばれ児太郎。

幕切れ、俊寬が一人岩の上に取り残された場面で、幕が閉まる前に徐々に照明が落ちて少し暗くなった。こういう幕切れを見た覚えがないが、他の人の俊寬でもやるだろうか。ちょっと新鮮だった。
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