SSブログ

NHK古典芸能鑑賞会 [舞台]

10月28日(金) NHKホール

毎年この時期に行われてる鑑賞会だが、足を運んだのは久しぶり。本来古典芸能の上演に適しているとは言えないこのホール、NHKが主催だから仕方ないとは言え、正直言うとここで歌舞伎などを観るのは辛いのよね。

今年は
一・箏曲 「楓の花」 米川文子 他

二・舞踊 「喜撰」 西川扇蔵 藤間藤太郎 他

三・歌舞伎 彦山権現誓助剱

の三本立て。もちろんお目当ては歌舞伎。

始めの箏曲は半分寝落ち。もったいなかったな~。でもお琴の音色って、涼やかで気持ちよくてα波が出まくりなのですよ(言い訳)。

二つ目の喜撰は、歌舞伎舞踊以外の踊りは見慣れていないが、さすがは人間国宝の扇蔵さん、柔らかくて洒脱な味があり、歌舞伎で観るのとはちょっと違うけど面白かったです。

三・歌舞伎 彦山権現誓助剱
 杉坂墓所の場
 毛谷村 六助住家の場
六助 吉右衛門
お園 芝雀
お幸 東蔵
弾正(内匠) 又五郎

毛谷村の六助は吉右衛門当たり役の一つ。親孝行で、弾正にほいほい騙されるお人好しなところと、実は剣の達人であるというところが無理なく共存している。とにかく愛嬌が溢れていて、優しげな笑顔が可愛くて、ほっこりしてしまう。熊谷みたいな厳しいお顔も素敵だが、やっぱり笑顔が良いよねえ、(馬鹿丸出しですいません)子供をあやしたり、お園の振る舞いにびっくりしたり呆れたりする表情の変化も楽しい。なりは野暮ったくても、真っ正直で人柄優れた様子が体中から感じられる、素敵な六助。

お園は芝雀。始めの出こそ虚無僧姿で、立ち回りも見せる男勝りだが、六助が父から聞いていた許婚と知った途端に態度ががらっと変わってしおらしくなるところが何とも可愛い。その後いかにも慣れない様子でおさんどんしてみたり、六助の着替えを手伝いながら恥じらったり、初々しい様子がいじらしい。こういうお役はほんとに芝雀さんはぴったりで上手いなあ。

お幸は東蔵で、私の好みからいくともう少し厳しさのある後室の風情も欲しい気がしたが、穏やかで上品な婦人の様子。(ほんとは、このお役は吉之丞さんで拝見したかったのだけど。。。)
弾正、実はお園達の仇の京極内匠は又五郎で、短い出番ながら、始めは孝行者ぶっていながら憎々しげな悪人の風がよく出てさすがに上手い。

もったいなくも一回限りの公演で、お稽古も短かったろうにそうは思えない充実した舞台。また本公演でやって頂きたいな。
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。