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南座十月大歌舞伎 [舞台]

10月8日(土) 昼の部

連休は大阪の実家に帰りました。メインイベントは他にあったのですが、せっかくだからと南座にも行くことに。思えば年末の顔見世以外で南座に行ったのは十数年振り。まねきの上がってない南座が妙に新鮮でした(笑)

一、歌舞伎十八番の内 矢の根(やのね)
曽我五郎時致  橋之助               
大薩摩文太夫  男女蔵               
馬士畑右衛門  亀 鶴               
曽我十郎祐成  翫 雀

橋之助は体つきは細いのだが、隈がすっきり似合っておおらかさと華がある。台詞にも力がこもって立派な五郎。橋之助はこういう荒事が良いね。
翫雀が和事の十郎らしさを見せる。
亀鶴も良い味。
男女蔵は出番少なくて気の毒。
長唄の里長が花を添えた(今月御園座じゃないんだ~!?と意外)
まあ、他愛ないと言えば他愛ない話だが、こういう狂言は理屈抜きに楽しみたい。

二・墨染念仏聖 法然上人譚
法然上人  藤十郎               
熊谷次郎直実  橋之助                
式子内親王  壱太郎                 
九条兼実  亀 鶴    
源智上人  翫 雀

法然上人の八百年大遠忌を記念して作られた新作。花柳流宗家家元花柳壽輔の構成・振りつけ。 
装置類は最小限。全般的に暗い舞台にスポットライトで登場人物が浮かび上がる。キャスターみたいなのが付いた柱状のものを輪にしたり一列に並べたり、せりを使ったりして場面転換を図る、モダンぽい雰囲気。

法然上人に縁ある人々が順に登場して、師に救われたいきさつなどを一人語り風にしゃべり、上人の幻影らしきものがそこに現れる、と言うスタイル。

中では橋之助の熊谷の部分がいちばん面白かった。敦盛、実は小次郎の首を討ったところを「陣屋」の物語の場面のように語るのだが、背景で並布を使用し、敦盛の代わりに鎧兜を出して象徴的に見せる。熊谷は出家後の姿だが、「陣屋」幕切れの苦悩を彷彿とさせる橋之助の台詞回しが上手く、さすがに本役の熊谷を手がけているだけある。

藤十郎はほとんど動きもなく台詞も少なく、見せ場と言ってあまりないのだが、立っているだけで気品溢れる様子なのはさすが。

壱太郎が可憐なお姫様姿、亀鶴もすっきりとした二枚目の公家の様子。
翫雀が法然の弟子でこちらも落ち着いた僧の品ある雰囲気。

まあ、芝居としてみると、大部分がモノローグで進むこともあって、やや退屈な感は否めないか。

三、連獅子(れんじし)
狂言師右近後に親獅子の精  翫 雀         
狂言師左近後に仔獅子の精  壱太郎                  
僧蓮念  亀 鶴                  
僧遍念  男女蔵

6月に仁左衛門と千之助の連獅子を観たときに、翫雀と壱太郎のも観たいなあ、と思っていたのでこんなに早く実現して嬉しい。
この二人だと、翫雀の方が背が低いので、仔獅子の方が大きいという視覚的にはマイナス要素はあるが(苦笑)、二人とも踊りは上手いので特に前シテの方がすっきりきっちりと見せてくれる。
松嶋屋だと、祖父と孫、とか千之助わずか11歳とか、妙に観る方に思い入れが入ってしまうが、こちらはそういうこともなく、変な話純粋に踊りとしてのんきに楽しめるというか。
後シテは、二人とも意外に(?)隈取りも良くのって勇壮な姿。ただ毛振りは、特に翫雀があまり上手くなく、あらあらという場面もあったが、最後の方では壱太郎が思いっきりぶんぶん振って元気あるところを見せた。

間狂言は亀鶴と男女蔵がかっちり務めた。亀鶴が脇役ながら全演目に出て良い味を見せたのも収穫。


          

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