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9月文楽公演・第二部 [舞台]

9月19日(月)
9月公演も早くも千秋楽。5月はまだ震災の余韻もあってか夜は空席が目立ったけど、今月はほぼ満席の盛況が戻ったようで嬉しい。

夜チラシ.JPG
一・ひらかな盛衰記(ひらがなせいすいき)  
大津宿屋の段 松香・津國・文字栄・南都・つばさ・睦・咲寿・小住・亘、清友・寛太郎
笹引の段 呂勢・清治
松右衛門内より逆櫓の段 咲甫・喜一朗、咲・燕三

和生のお筆、玉女の樋口、玉也の権四郎、簑二郎のおよし、文昇の山吹御前、玉輝の重忠

歌舞伎でもよくやるけど、大抵松右衛門内からだけの上演。やはり大津宿屋からやると話が解りやすい。
笹引では呂勢が清治の三味線を受けて健闘。このコンビで定着するのだろうか。しばらく清治さんが景事などの連れ弾きばかりで、お一人で弾くのを聞く機会が減っていて歯がゆかったので、嬉しい限り。呂勢さんも清治さんに引っ張られてますます飛躍されるのを期待。
松右衛門内ではまず咲甫と喜一朗がきっちり。

その後から最後までを咲と燕三。燕三襲名披露の演目でもあり、燕三らしい力強い、派手なばち捌きが勇壮で咲さんともども力強い熱演。ただ、個人的には、二人の演奏は力が入りすぎていてやや疲れる気も。強弱の強ばかりが強調されている感じで、もう少しじっくり情をこめて語ってほしいところも多く、いまいち泣けない。燕三の三味線もテクニックは凄いが、情景や温度をあまり感じない。なんか歯がゆいんだな。二人とも上手いだけにもったいない。でもそういうのって、歳を重ねないと出てこない味なのかもしれないなあ。(厳しいこと書いてますが、ほんとに上手いんですよ。もっと下手な人はいくらでもいるんだけど、それだけになあ、という感じなんです。ご贔屓の方ごめんなさい)

人形では、和生がさすがにしっとりと、しかし気丈なお筆の忠義と健気さ、若君を取り戻しにくる立場の辛さを見せて秀逸。松右衛門内で樋口に出会い、驚いて中腰で「やあこな様は、」となるところの決まり方が綺麗だった。あんまり女形でああいう姿勢見せないから。あれは足を遣ってる人も上手く膝を出さないとおかしいので、良くできました。
玉女の樋口も大きさ力強さがあり立派。前半の松右衛門としてのくだけた様子から、武士の樋口への変化が鮮やか。
玉也の権四郎も剽軽さと共に風格があり存在感を見せた。

二・紅葉狩
英・三輪・芳甫・希・咲寿、清介・團吾・清丈・龍爾・清公
清十郎の更級姫実は鬼女、玉志の維茂、紋臣と簑紫郎の腰元、玉佳の山神

歌舞伎ではいろんなヴァージョンで良く上演されるが、文楽では初見かも。
更級姫は三人出遣い。人間が踊るのと同じように人形で踊るんだから大変だ。扇を投げたり回したり、も左右を別の人間がやってるんだから、息を合わせないととんでもないことになる。清十郎は師匠の先代譲りの華やかな裃姿。以前はどこか一歩退いてるような良く言えば謙虚な姿勢だが押しの弱い感じが垣間見えたが、襲名後はだんだん自信もついてきたんだろうな、華が出てきて良くなってる。これでもう少し色気が出るといいんだけど。更級姫の舞も艶やかで綺麗。後半の鬼女でもなかなかの迫力を見せた。12月の鑑賞教室では待望の曽根崎心中のお初、ぜひ観たい。

義太夫は掛け合い。英と三輪がさすがに上手く、艶のある声を聞かせた。龍爾と清公の琴も綺麗だった。
タグ:文楽
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