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国立劇場5月文楽公演第一部 [舞台]

5月23日(月)

半蔵門の駅から国立劇場へ向かう人がいつになく多かったので、文楽だけでこんなに人いないよな、と思ったら、大劇場で前進座の公演があった模様。へえ、国立劇場でも公演やるんだ。次回、一度行って見ようかな。

今月の文楽公演もこの日が千秋楽。4月に引き続き、源大夫・藤蔵のダブル襲名披露。演目は同じ。4月は源大夫さんが口上のみの出演だったが、今月は何とか床に上がられてめでたい。

源平布引滝(げんぺいぬのびきのたき)
    矢橋の段 つばさ・清丈
    竹生島遊覧の段 松香・呂勢・三輪・芳穂・靖、清治  

 竹本綱大夫改め九代目竹本源大夫
 鶴澤清二郎改め二代目鶴澤藤蔵
 襲名披露口上

    糸つむぎの段 咲穂・清馗
    瀬尾十郎詮議の段 住・錦糸
   襲名披露狂言
    実盛物語の段 源・藤蔵、英・藤蔵

玉女の実盛、和生の九郎助、勘十郎の瀬尾、清十郎の葵御前、文司の九郎助女房

4月にはなかった矢橋の段が付いた以外は配役もほぼ同じ。
口上も、4月には出ていた文雀さんが休演で出られなかった他は、顔ぶれもお言葉もほとんど一緒かな。歌舞伎と違って文楽の口上は、割と淡々と本当に挨拶だけという感じ。これが本来の口上なんだろうな、歌舞伎のはサービス満点にしゃべる人もいるけど。

肝心の披露狂言では、源大夫は残念ながら万全の体調とは言い難く、聴いていて正直言って痛々しかった。もうここ数年体調がお悪くて、休演も続いた中での襲名。もう3年くらい早かったらなあ、と思わずにはいられない。ご本人も不本意だろう。
そんな父の分もカバーしようと、藤蔵は大熱演。これまでそんなに派手に弾く人という印象ではなかったが、先代が華麗で豪快なばち捌きで知られた人だったと言うから、その芸風を継ごうと思っておられるのだろう。この襲名を機に、一回りスケールの大きな三味線になると良いな。

他の出演者についての感想は、4月とほぼ同じなので略。

傾城恋飛脚(けいせいこいびきゃく)
    新口村の段 相子・寛太郎、千歳・富助、津駒・寛治
清十郎の忠兵衛、紋壽の梅川、玉也の孫右衛門

紋壽の梅川が、しっとりとして優しさと情があって綺麗。
清十郎の忠兵衛も、この人らしくすっきりとした二枚目。
玉也の孫右衛門も、義理と情に揺れる老父の悲しさがあって上々。
義太夫では、後の津駒と寛治が親子の再会と別れを切々と聞かせてさすがに上手い。特に三味線の寛治がしっとりとして、悲しげで、情があって、幕切れ雪の中に立ち尽くす孫右衛門の心を代弁するかのような、しんしんと降る雪の音が聞こえてきそうな音色で秀逸。ああ、やっぱり寛治さんの音色、好きだわ。この頃、清治さんも寛治さんも連れ弾きが多くなって、お一人の音色をなかなか聴けなかったが、今月はお二人ともしっかり聴けて嬉しかった。

今回、最初の矢橋の段も、新口村の最初も、義太夫が御簾内だった。近頃珍しいな、なんか理由があるのだろうか。相子さんも寛太郎君もお顔見たかったのにな。
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