5月大歌舞伎・昼の部 [舞台]
5月16日(月)
昼の部は幸四郎が主役の二役を早替わりで演じるのが話題の通し狂言。
一、敵討天下茶屋聚(かたきうちてんがぢゃやむら)
浮田館
四天王寺
東寺貸座敷
福島天神の森
天下茶屋聚
安達元右衛門/東間三郎右衛門 幸四郎
早瀬伊織 梅 玉
妻染の井 魁 春
早瀬源次郎 錦之助
妻葉末 高麗蔵
坂田庄三郎 友右衛門
岡船岸之頭 桂 三
田楽師松阿 廣太郎
田楽師竹阿 廣 松
奴腕助 錦 吾
安達弥助 彌十郎
京屋萬助 歌 昇
片桐造酒頭 歌 六
早瀬玄蕃頭 段四郎
人形屋幸右衛門 吉右衛門
幸四郎が務める二役はどちらも悪人側。
元右衛門は中間上がりで、酒癖が悪いために主家を勘当になり悪人側につく、小心者のくせに弟や元の主に刃を向ける極悪人、と言うなかなか複雑さの中に、剽軽さや俗っぽさが溢れんばかりにのぞくという役どころ。このところ新三や道玄などに挑戦してきた甲斐あってか、思ったほどは重くならずに、(この人にしては精一杯)愛嬌ものぞかせてなかなかの出来。
一方の東間三郎右衛門は、これは絵に描いたような冷血非道の極悪人。お家横領を企み、人を殺すことも何とも思わない、仁木弾正とかの系列というかそういうタイプ。こっちの方が幸四郎本役のはずなのだが、意外に面白くない。元右衛門と替わるために東間の出番そのものが削られたせいもあろうが、凄味や大きさが今ひとつで、いささか元右衛門にエネルギー取られたかなあ、と言う印象。まあ、それでも、近頃の幸四郎としてはよい出来の方かとは思う。
梅玉と錦之助の早瀬兄弟がどんどん追い詰められて窮地に陥っていくのが可哀想で見ていられない。梅玉・錦之助が、善人側の武士の育ちの良さや清潔感ある様子がぴったり。足が悪いのに襲われて痛ましく殺される梅玉が哀れ。錦之助、夜は汚い盗賊だったけどやっぱりこっちがお似合いよね。
彌十郎も夜と違って実直な下男な様子。
魁春の妻染の井が、夫のために身を売る健気さがあり本役。
段四郎、歌六も好演だが、これ二人が反対でも良いかも。歌六の役、格好良くて儲けもの。なんか、この芝居でいちばん良い役だったよ。
吉右衛門が付き合って出たが、ほんの一場面だけで肩透かし。吉様が出るほどの役でも、と言う気も。
大詰めでは、吉右衛門と歌六が出てくるものと期待していたのに出てこなくてがっかり~。出してもよかったのに。
芝居としては、これでもかという殺しの場面の連続で、正直言うとげんなり。菊五郎の復活狂言のように間に息抜きの場でもあればいいけど。
通し狂言だと、忠臣蔵や義経千本桜みたいに各段で主人公が変わるのでないと、どうしても役者の見せ場が偏る。この芝居も、吉右衛門はもとより、段四郎や歌六、歌昇など、あれだけ?って言うのが多くてもったいない気がしてしまう。だからあんまり好きじゃないなあ。
昼の部は幸四郎が主役の二役を早替わりで演じるのが話題の通し狂言。
一、敵討天下茶屋聚(かたきうちてんがぢゃやむら)
浮田館
四天王寺
東寺貸座敷
福島天神の森
天下茶屋聚
安達元右衛門/東間三郎右衛門 幸四郎
早瀬伊織 梅 玉
妻染の井 魁 春
早瀬源次郎 錦之助
妻葉末 高麗蔵
坂田庄三郎 友右衛門
岡船岸之頭 桂 三
田楽師松阿 廣太郎
田楽師竹阿 廣 松
奴腕助 錦 吾
安達弥助 彌十郎
京屋萬助 歌 昇
片桐造酒頭 歌 六
早瀬玄蕃頭 段四郎
人形屋幸右衛門 吉右衛門
幸四郎が務める二役はどちらも悪人側。
元右衛門は中間上がりで、酒癖が悪いために主家を勘当になり悪人側につく、小心者のくせに弟や元の主に刃を向ける極悪人、と言うなかなか複雑さの中に、剽軽さや俗っぽさが溢れんばかりにのぞくという役どころ。このところ新三や道玄などに挑戦してきた甲斐あってか、思ったほどは重くならずに、(この人にしては精一杯)愛嬌ものぞかせてなかなかの出来。
一方の東間三郎右衛門は、これは絵に描いたような冷血非道の極悪人。お家横領を企み、人を殺すことも何とも思わない、仁木弾正とかの系列というかそういうタイプ。こっちの方が幸四郎本役のはずなのだが、意外に面白くない。元右衛門と替わるために東間の出番そのものが削られたせいもあろうが、凄味や大きさが今ひとつで、いささか元右衛門にエネルギー取られたかなあ、と言う印象。まあ、それでも、近頃の幸四郎としてはよい出来の方かとは思う。
梅玉と錦之助の早瀬兄弟がどんどん追い詰められて窮地に陥っていくのが可哀想で見ていられない。梅玉・錦之助が、善人側の武士の育ちの良さや清潔感ある様子がぴったり。足が悪いのに襲われて痛ましく殺される梅玉が哀れ。錦之助、夜は汚い盗賊だったけどやっぱりこっちがお似合いよね。
彌十郎も夜と違って実直な下男な様子。
魁春の妻染の井が、夫のために身を売る健気さがあり本役。
段四郎、歌六も好演だが、これ二人が反対でも良いかも。歌六の役、格好良くて儲けもの。なんか、この芝居でいちばん良い役だったよ。
吉右衛門が付き合って出たが、ほんの一場面だけで肩透かし。吉様が出るほどの役でも、と言う気も。
大詰めでは、吉右衛門と歌六が出てくるものと期待していたのに出てこなくてがっかり~。出してもよかったのに。
芝居としては、これでもかという殺しの場面の連続で、正直言うとげんなり。菊五郎の復活狂言のように間に息抜きの場でもあればいいけど。
通し狂言だと、忠臣蔵や義経千本桜みたいに各段で主人公が変わるのでないと、どうしても役者の見せ場が偏る。この芝居も、吉右衛門はもとより、段四郎や歌六、歌昇など、あれだけ?って言うのが多くてもったいない気がしてしまう。だからあんまり好きじゃないなあ。
タグ:幸四郎
コメント 0