八月花形歌舞伎・第二部 [舞台]
8月23日 新橋演舞場
暑いですね。いつまでこんなに暑いんだろう。カンボジアから帰ってきたら、東京の方が暑くてびっくりだったのが、そのまま続いている。幸い時差ボケはないのだが、帰国翌日からの仕事と暑さでなんか体がだる～い｡
そんな中、この日は演舞場で第二、三部を続けて観劇。容赦なく照りつける日差しの中を東銀座駅から歩きながら、しまったなあ、第一、二部を同じ日にすれば良かったと後悔。そうすれば昼間の暑い中を歩かなくてすんだのに(苦笑)。
一、暗闇の丑松（くらやみうしまつ）
暗闇の丑松 橋之助
四郎兵衛女房お今 福 助
料理人祐次 獅 童
岡っ引常松 松 江
八五郎 猿 弥
熊吉 亀 蔵
潮止当四郎 市 蔵
四郎兵衛 彌十郎
丑松女房お米 扇 雀
暗い。どうしようもなく暗い話である。前に観たときは幸四郎の丑松に福助のお米だったかと思う。今回の橋之助の方が幸四郎よりはずっとニンに合っていて無理なく観られたのは良かった。
橋之助は、良く言えば一途、悪く言えば思い込んだら周りが見えないタイプの男を真っ直ぐに演じている。根は善人なのに、追い詰められて仕方なく殺しに手を染めた男の悲しさが見えた｡
ただこの人は基本的に悪人が上手くない人で(きっと、素がとてもいい人なんだろうな、と思う)、第二幕でも人殺しで追われる身という後ろ暗さがあまり感じられない。だから、なんだかまるで堅気の男が商用から戻ってでも来たような雰囲気で、普通だと「そんな偉そうにお米を責められる立場か?」となるところが妙な具合になってしまうのだ。爽やかすぎるのよね。
とはいえ、終幕では復讐に燃える男の怒りと悲しみを見せ、特に湯屋で必死に逃げ道を探す緊迫感を上手く見せた。
扇雀のお米に哀れさと儚さがあり上々。特に第二幕での丑松に必死に訴えるのが絶望に変わる様を丁寧に表現して見応えがあった。
福助はお米よりお今が向いてるよね(笑)。嫉妬深く自堕落な女の嫌らしさを見せつけた。でもちょっとやり過ぎ。笑いを取っちゃまずいだろう。
獅童は相変わらず台詞が歌舞伎じゃない。新歌舞伎だからといって、歌舞伎は歌舞伎。
しかしあの終幕の湯屋の場面は、いつ見ても面白い。江戸時代の湯屋って本当にああだったのかな。番頭の働く様子が傑作。
二、京鹿子娘道成寺（きょうかのこむすめどうじょうじ）
白拍子花子 福 助
所化 松 江
同 宗之助
同 新 悟
同 巳之助
同 松 也
大館左馬五郎照剛 海老蔵
道行きもないし、所化の「舞の講釈」もないし、そのくせ押し戻しがつく変則的な上演。そのせいかどうか知らないが、妙に緊張感がないまったりとした雰囲気だったのは、暑い夏の午後の上演のせいだけではないだろう。
食後でもないのに爆睡している観客がかなりいた。実は私もかなり眠かった。女形舞踊屈指の大曲なのに、こんな変則的な形でお茶を濁すようにやって良いのか、と思う。
福助の踊り自体は大して穴もなく、変にはみ出しもせず、まあちゃんと踊っていただけに、何でこんな中途半端にしてしまったのかという疑問が余計にわく。海老蔵を出さないと第二部のチケットが売れないとでも思ったのだろうか。ずいぶん他の出演者や客を馬鹿にした話だと思う。
申し訳ないが、あんまりちゃんと感想を書く気になれません。
暑いですね。いつまでこんなに暑いんだろう。カンボジアから帰ってきたら、東京の方が暑くてびっくりだったのが、そのまま続いている。幸い時差ボケはないのだが、帰国翌日からの仕事と暑さでなんか体がだる～い｡
そんな中、この日は演舞場で第二、三部を続けて観劇。容赦なく照りつける日差しの中を東銀座駅から歩きながら、しまったなあ、第一、二部を同じ日にすれば良かったと後悔。そうすれば昼間の暑い中を歩かなくてすんだのに(苦笑)。
一、暗闇の丑松（くらやみうしまつ）
暗闇の丑松 橋之助
四郎兵衛女房お今 福 助
料理人祐次 獅 童
岡っ引常松 松 江
八五郎 猿 弥
熊吉 亀 蔵
潮止当四郎 市 蔵
四郎兵衛 彌十郎
丑松女房お米 扇 雀
暗い。どうしようもなく暗い話である。前に観たときは幸四郎の丑松に福助のお米だったかと思う。今回の橋之助の方が幸四郎よりはずっとニンに合っていて無理なく観られたのは良かった。
橋之助は、良く言えば一途、悪く言えば思い込んだら周りが見えないタイプの男を真っ直ぐに演じている。根は善人なのに、追い詰められて仕方なく殺しに手を染めた男の悲しさが見えた｡
ただこの人は基本的に悪人が上手くない人で(きっと、素がとてもいい人なんだろうな、と思う)、第二幕でも人殺しで追われる身という後ろ暗さがあまり感じられない。だから、なんだかまるで堅気の男が商用から戻ってでも来たような雰囲気で、普通だと「そんな偉そうにお米を責められる立場か?」となるところが妙な具合になってしまうのだ。爽やかすぎるのよね。
とはいえ、終幕では復讐に燃える男の怒りと悲しみを見せ、特に湯屋で必死に逃げ道を探す緊迫感を上手く見せた。
扇雀のお米に哀れさと儚さがあり上々。特に第二幕での丑松に必死に訴えるのが絶望に変わる様を丁寧に表現して見応えがあった。
福助はお米よりお今が向いてるよね(笑)。嫉妬深く自堕落な女の嫌らしさを見せつけた。でもちょっとやり過ぎ。笑いを取っちゃまずいだろう。
獅童は相変わらず台詞が歌舞伎じゃない。新歌舞伎だからといって、歌舞伎は歌舞伎。
しかしあの終幕の湯屋の場面は、いつ見ても面白い。江戸時代の湯屋って本当にああだったのかな。番頭の働く様子が傑作。
二、京鹿子娘道成寺（きょうかのこむすめどうじょうじ）
白拍子花子 福 助
所化 松 江
同 宗之助
同 新 悟
同 巳之助
同 松 也
大館左馬五郎照剛 海老蔵
道行きもないし、所化の「舞の講釈」もないし、そのくせ押し戻しがつく変則的な上演。そのせいかどうか知らないが、妙に緊張感がないまったりとした雰囲気だったのは、暑い夏の午後の上演のせいだけではないだろう。
食後でもないのに爆睡している観客がかなりいた。実は私もかなり眠かった。女形舞踊屈指の大曲なのに、こんな変則的な形でお茶を濁すようにやって良いのか、と思う。
福助の踊り自体は大して穴もなく、変にはみ出しもせず、まあちゃんと踊っていただけに、何でこんな中途半端にしてしまったのかという疑問が余計にわく。海老蔵を出さないと第二部のチケットが売れないとでも思ったのだろうか。ずいぶん他の出演者や客を馬鹿にした話だと思う。
申し訳ないが、あんまりちゃんと感想を書く気になれません。
暑いですね・・・。（汗）
＞東京の方が暑くてびっくりだったのが、そのまま続いている。
夏バテしないように気を付けましょう。とにかく充分睡眠できるようにしないといけませんね。
暑い中の観劇も色々と大変そうですが、演じる方も同様なのでしょうね。照明・・・とか・・・。（大汗）
そうそう、NHKの「プロフェショナル」という番組で先日（１９日）市川海老蔵が取り上げられていました。
http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/100819/index.html
中々壮絶なものがありましたよ。今度の日曜日午前１０時から再放送がありますからご覧になっていないようでしたらどうぞ。
by ユキタロウ (2010-08-25 21:26)
ユキタロウさん、こんばんは。
ほんとにいつまでも暑いですね。9月になってもまだ暑いそうですよ。夏バテ、熱中症、気をつけないといけませんね。
観る方よりやる方が、そりゃあ大変でしょうねえ。特に歌舞伎は衣装も重いし。役者さんには頭が下がります。
海老蔵の番組は観ました。全然ファンじゃないけど、一応。まあ、あの手の番組は話半分に思ってますが。
by mami (2010-08-26 00:25)