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屏風の世界 ―その変遷と展開― [舞台]

7月4日
出光美術館
http://www.idemitsu.co.jp/museum/honkan/exhibition/present/index.html
index_ph002.jpg

7~8世紀に中国から入った屏風が、日本独自の発展をする過程を俯瞰する展覧会。
中国では一枚ずつのパネルをつないだものだったのが、日本では蝶番で接続した一続きのものとすることで、大画面となり、たとえば四季の移ろい、あるいは物語、といった風に一双または一隻の屏風の中に時間の流れを描き出せるようになった。

出品作は、古いところでは室町時代の土佐光信や雪舟(伝)から、江戸時代の岩佐又兵衛など。
光信の四季図が琳派の先駆けのような美しさ。
また雪舟のは水墨画に淡く彩色してあるのがなんとも言えず品のよい趣。
又兵衛は、最近ちょっとグロっぽい絵で人気だが、今回のは三十六歌仙や源氏物語などの正統派。こういう至極まともな絵も描いてたのね。

ユニークなところでは南蛮図が桃山時代の雰囲気を写していて豪華。
江戸名所図などは今と同じ風景を探しながら見るのも楽しい。

個人的に残念だったのは、琳派の作品がなかったことで、この美術館には抱一や其一のすばらしい屏風があるはずなのだが。ま、この展覧会は屏風絵の成り立ちに絞っているからだろうが、ちょっとがっかりだった。

屏風だけでなく、蒔絵の工芸品や器の類も一緒に展示してあった。屏風絵との関連はよくわからないけれど。
タグ:出光美術館
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ぶんじん

屏風っていうキャンパス、日本の画家にとっては重要な存在ですよね。あんなに大きくて、しかも毎日見られるものだから、腕の振るい甲斐があったのだと思います。その歴史が見られるのか、なかなかユニークな展示ですね。
by ぶんじん (2010-07-08 23:25) 

mami

ぶんじんさん、こんばんは。
屏風や襖などの建具をキャンヴァスにしてしまったところが日本美術のユニークさですね。
渋めな作品が多いですが、見応えはありますよ。ぜひどうぞ。
by mami (2010-07-09 22:58) 

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