ルノワール展 [美術]
3月1日
国立新美術館
http://www.renoir2010.com/
ルノワールが、日本人がいちばん好きな画家の一人であることは間違いないと思う。なにしろ喫茶店の名前になってるくらいだから(笑)。その理由はいろいろだろうけど、絵の華やかな美しさはもちろん、「幸福の画家」と呼ばれるように、彼の絵からは人生を肯定的に謳歌する空気が感じられるからだろう。たとえ貧しいお針子を描いてもそこに暗さや悲惨さはみじんも見えない。
それは彼自身の言葉「絵というものはぼくにとって、愛すべきもの、愉しくて美しいものでなければならないんだよ。」に見事に集約されていて、その主義をルノワールは生涯変えることがなかった。
ルノワールの展覧会は本当にしょっちゅう開催されていて、正直言って「また~?」という感じもしなくはないのだが、それでもやはり足を運んでしまうのは、そういったルノワールの優しく明るい絵の世界にひとときでも浸りたい気持ちがあるのかもしれない。
今回の展覧会も特に目新しいアプローチがあるわけではないが、若い頃から晩年までの作品を網羅してルノワールの魅力の全容に迫る。
チラシの絵は「団扇を持つ若い女」
流行のジャポニズムに影響されたのがわかる一枚。でもこの団扇、よく見ると托鉢僧みたいな人物が描いてあるのよね。もうちょっと綺麗な図柄のはなかったのかしら、なんて思ってしまった(笑)。それはともかく、愛らしい少女、花、可愛い帽子、とまるでルノワールの特長の3点セットのような絵。
「ブージヴァルのダンス」
有名な絵ですね。当時の風俗がよく表れている。女性の足元にうち捨てられたすみれの花束が意味深。
「アンリオ夫人」
モデルは若い女優。顔以外の部分は素早いタッチで描かれて柔らかい雰囲気を出して、生き生きとした顔を引き立たせている。
「縫い物をする若い女」
ブルー系の色調は比較的少ないかも。でも暗い絵ではなく、女性と背景の花瓶の花が競うように美しい1枚。
今回いちばん気に入った絵だったのに絵はがきがなかった。
以上の4点は実は全部1870年代の作品。出品作品はもちろん晩年までいろんな年代のがあるのだが、見ていて私はこの頃の、つまり若い頃の絵がいちばん好きだなあ、と改めて思った。この頃の絵はモデルの顔がきちんと丁寧に描かれてるが、晩年になると顔も全体の一部に過ぎないとでも言うような感じがする。特に裸体画は、あの豊満すぎる体型(苦笑)も、なんだかね、と思っちゃうし。(ダイエットに悩む身としては、この体型で許されるなら楽だよなあ、なんて思ったりもして)
なお会場ではX線や赤外線写真を使った最新の研究による解説コーナーなどもあったが、専門外の私はあまりよく解らなかったのですっ飛ばした。
個人的には、印象派より後期印象派、ルノワールよりドガの方が好きなのだけれど、見るとやっぱりルノワールはいいな、と素直に思う。
今年は春にマネ展、秋にはドガ展があるらしいが、その先陣を切る展覧会。お見逃しなく。
国立新美術館
http://www.renoir2010.com/
ルノワールが、日本人がいちばん好きな画家の一人であることは間違いないと思う。なにしろ喫茶店の名前になってるくらいだから(笑)。その理由はいろいろだろうけど、絵の華やかな美しさはもちろん、「幸福の画家」と呼ばれるように、彼の絵からは人生を肯定的に謳歌する空気が感じられるからだろう。たとえ貧しいお針子を描いてもそこに暗さや悲惨さはみじんも見えない。
それは彼自身の言葉「絵というものはぼくにとって、愛すべきもの、愉しくて美しいものでなければならないんだよ。」に見事に集約されていて、その主義をルノワールは生涯変えることがなかった。
ルノワールの展覧会は本当にしょっちゅう開催されていて、正直言って「また~?」という感じもしなくはないのだが、それでもやはり足を運んでしまうのは、そういったルノワールの優しく明るい絵の世界にひとときでも浸りたい気持ちがあるのかもしれない。
今回の展覧会も特に目新しいアプローチがあるわけではないが、若い頃から晩年までの作品を網羅してルノワールの魅力の全容に迫る。
チラシの絵は「団扇を持つ若い女」
流行のジャポニズムに影響されたのがわかる一枚。でもこの団扇、よく見ると托鉢僧みたいな人物が描いてあるのよね。もうちょっと綺麗な図柄のはなかったのかしら、なんて思ってしまった(笑)。それはともかく、愛らしい少女、花、可愛い帽子、とまるでルノワールの特長の3点セットのような絵。
「ブージヴァルのダンス」
有名な絵ですね。当時の風俗がよく表れている。女性の足元にうち捨てられたすみれの花束が意味深。
「アンリオ夫人」
モデルは若い女優。顔以外の部分は素早いタッチで描かれて柔らかい雰囲気を出して、生き生きとした顔を引き立たせている。
「縫い物をする若い女」
ブルー系の色調は比較的少ないかも。でも暗い絵ではなく、女性と背景の花瓶の花が競うように美しい1枚。
今回いちばん気に入った絵だったのに絵はがきがなかった。
以上の4点は実は全部1870年代の作品。出品作品はもちろん晩年までいろんな年代のがあるのだが、見ていて私はこの頃の、つまり若い頃の絵がいちばん好きだなあ、と改めて思った。この頃の絵はモデルの顔がきちんと丁寧に描かれてるが、晩年になると顔も全体の一部に過ぎないとでも言うような感じがする。特に裸体画は、あの豊満すぎる体型(苦笑)も、なんだかね、と思っちゃうし。(ダイエットに悩む身としては、この体型で許されるなら楽だよなあ、なんて思ったりもして)
なお会場ではX線や赤外線写真を使った最新の研究による解説コーナーなどもあったが、専門外の私はあまりよく解らなかったのですっ飛ばした。
個人的には、印象派より後期印象派、ルノワールよりドガの方が好きなのだけれど、見るとやっぱりルノワールはいいな、と素直に思う。
今年は春にマネ展、秋にはドガ展があるらしいが、その先陣を切る展覧会。お見逃しなく。
わたしも、週末に行くんだ〜!
mamiさんの感想を読ませてもらって、さらに期待が膨らみました^^
ルノワールって、ポピュラー過ぎて、かえって敬遠しているところがあったのですが、やっぱり、「イイ!」んですよね。肥満体の女も、ピンクのほっぺの少女も、「幸福の象徴」のような感じがします。
おっしゃるとおり!あの体型が標準だったら、ほんとに苦労しないんですけどね(^^;
by palette (2010-03-04 21:49)
今回ルノワール展は、パスするつもりなのですが・・・
やっぱりホンワカと幸せになれる作品が来てますね~(笑)
今週末は雨の予報ですが
長谷川等伯、二回目行ってくるつもりです!
by リュカ (2010-03-04 22:15)
paletteさん、生半可美術通になると、「ルノワールは良い」って言うのがなんだか気恥ずかしい気がしちゃうんですよね(笑)。でもやっぱり、綺麗なものは綺麗だし、素敵な絵だと思います。
見る人を幸せな気分にしてくれるなんて、考えてみたらすごいことですよね。
でもあの体型はやっぱりちょっと‥‥。ですが(苦笑)
by mami (2010-03-05 00:03)
リュカさん、あら、ルノワールはパスですか~?
まあ確かに等伯とどっち観に行く?と言えば等伯かも。
でもやっぱりルノワールはルノワール。良かったですよ。
まだ1ヶ月くらいやってますから、都合がつくようならぜひ行ってみて下さいね。
by mami (2010-03-05 00:06)
はじめまして、かも。
ここは、舞台でRSSに登録していたのですが、最近自分が美術がらみが多くなりこのブログでも随分行かれているようですね。
数えてみたら、自分も行ったものが9(予定も含め)ありました。
で、このルノワールですが
縫い物をする若い女
今回いちばん気に入った絵だったのに絵はがきがなかった。
さすがお目が高い。
私もこれが一番でした。
後半の部屋は、他の館で観た物がかなりあり前回行ったハプスブルクの方が良かったかなあ、と思いました。
等伯、ボルゲーゼも行く予定なのでもしかしたらまたコメントするかもしれません。
では、また。
by ベンゼン (2010-03-05 11:26)
ベンゼンさん、はじめまして。
よくご覧いただいているということでありがとうございます!
芝居も展覧会も素人の勝手な感想を書かせてもらっています。
ルノワールやモネの展覧会は、どこかで見た気がする絵がどうしても多いですね。でも見る方もその時の気分で感じ方が変わりますし、お芝居と同じで、同じ絵を何度か見るのもまた面白いと思います。
「縫い物をする若い女」は良いですよね~。なんで絵はがきないんだろう、と思ってしまいました。好みがご一緒でうれしいです。
他の展覧会や芝居の記事の感想もまたお聞かせ下さいませ。
by mami (2010-03-06 00:25)