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マッキアイオーリ展 [美術]

2月28日
東京都庭園美術館
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/macchia/index.html
IMG_0001.jpg
この展覧会のチラシは去年この美術館に行ったときにもらっていたのだが、ちらっと見て、「マッキアイオーリなんて聞いたことない画家だなあ」なんて思って興味がわかなかった。そしたら先日新聞の文化面にこの展覧会評が載っていて、マッキアイオーリというのは人の名前じゃなくて、”1850年代から60年代にかけてフィレンツェを中心とするトスカーナ地方で活躍した、先鋭的な画家たちのグループの呼称”だと言うことが書いてあった。
あ、そうだったの~。と改めて見る気になった。

マッキアイオーリ(マッキア派)のいわれなどについては、サイトをご覧いただきたいが、19世紀中頃のイタリア統一運動とも絡んだ反アカデミズムの芸術活動で、その画風は「イタリアの印象派」とも呼ばれているとか。

実際に絵を見た感想としては、さすがにイタリアらしく明るい色使いの絵が多い。だが”印象派”と呼ぶには写実的で、題材こそアカデミズムの神話や聖書の世界から抜け出して庶民の生活や身近な風景を描いてはいるが、フランスの印象派のような独自の目新しさはない。
どの画家も技術的には高いものを持っているのに、当時はいざ知らず、現代ではほとんど忘れられてしまったのはその辺が原因ではないか。
ちょっと去年展覧会があった、同時期のロシアの絵画と共通するものがあるような気がした。
何人もの画家の絵があるのだが、なんだかどれも似たり寄ったりで強烈な個性を感じられないところとか。

ちょっと辛口の感想を先に書いてしまったが、一つ一つの絵はテクニックはしっかりしていて、綺麗で悪くはないと思う。

チラシの絵は、ジョーリ「水運びの女」
夕暮れだろうか、働く女の凛とした後ろ姿が美しい。

マッキア1a.JPG
レーガ「庭園での散歩」
パラソルの婦人と言えばモネの似た絵を思い出すが、あっちは顔の表情もよく判らないくらい光に溶け込んでいるようなのに対し、こちらはもっと写実的で輪郭もはっきりしている。

マッキア2b.JPG
フットーリ「森の中の農民の娘」
上のがモネならこちらはバルビゾンのコロー風か。この頃ってフランスもイタリアも服装はあまり違わなかったのかしら。でもコローの森は深いがこちらは開けた野原の明るさがある。

マッキア3c.JPG
レーガ「母親」
中産階級の母子の微笑ましい光景。
チラシのメインの絵をどうしてこっちにしなかったんだろう。展示はこれの方がいちばんいいところに掛けてあったし、お客さんの人気も高そうだったのに。

女性を描いた絵ばっかり挙げてしまったが、風景画とか肖像画、子供の絵などもあり。
どれもわかりやすい絵なので、現代アートや抽象画なんて大嫌いというタイプの人にはおすすめ。
でも私個人的には、見て損はしないけど、見逃しても損ではないかな~、と言う印象の薄い展覧会でした。
それにこの展覧会、記念グッズどころか絵はがき1枚販売していなかった。なんかいまいちやる気なさそうなのが気になりました。
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