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八月納涼大歌舞伎・第二部 [舞台]

8月10日

第一部に続いて観劇。第一部が終わったのが2時40分近かったので、二部の開場時間が45分くらいになってしまい、開場後のロビーは大混雑になっていた。もうちょっと上手く時間配分できないんですかねえ。

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一・真景累ヶ淵 豊志賀の死
福助の豊志賀、勘太郎の新吉、梅枝のお久、彌十郎の勘蔵、、勘三郎のさん蝶

円朝の落語が原作の怪談話で、歌舞伎で観るのは初めて。一昨年芝雀さんが「ふたり雀会」で口演をやっていたのは観て(聴いて)とても面白かった。

芝雀がやると豊志賀もそんなに変な女には見えなくて、ちょっと嫉妬深くて執念深い、病気になって年の離れた愛人にすがる、まあある意味可哀想なところもなくはない女、と思えたのだが、福助だと、ほんとにうんざりするような嫌味な女になっちゃうのは何故だろう(苦笑)。確かにこの女ならどこまでも新吉を追いかけてきそうな風ではある。まだ生きているときの「ああいえばこういう」(新吉の台詞)、ねちねちと嫌らしい感じが絶妙。福助ってほんとにこういう「嫌われる女」をやらせたら右に出る人いないよなあ。いっそもう真女方は止めて、八汐や岩藤みたいないじめ役をやらせたら面白かろうに、とつい思ってしまった。
ほめるべきかけなすべきか判らないくらい、福助のキャラが爆発していて(笑)、観客も大笑いになってしまって、怪談なのに涙が出るくらい笑ってしまった。面白いのはとっても面白かったけど、でもいいのかなあ、これで。怪談だろ~?去年新橋でやったお岩さんの方がずっとしおらしかったのに。

勘太郎の新吉が良い。師匠の豊志賀に尽くしながらもうんざりしている様子が自然で、豊志賀の幽霊が現れたとき(まだそうとは知らないのだが)の驚きや、終盤、さん蝶から豊志賀が死んだと聞かされた恐怖を、顔の表情だけでなく体を使って見せるのが上手く、コミカルさもあって上々の出来。

梅枝のお久が可憐な様子でぴったり。
彌十郎の勘蔵も勘太郎と息のあった様子。
勘三郎のさん蝶はごちそう。この人も笑わせるのが上手い。

幕切れがちょっと唐突で、「え、ここで終わり?」という感じだった。

二・船弁慶
勘三郎の静御前・知盛の霊、福助の義経、橋之助の弁慶、三津五郎の舟長
白状するとこの「船弁慶」、私には鬼門の演目で、というのは前半の静の舞のところで一睡もせずにいられたことがない(苦笑)。今度こそはがんばろう、といつも思うのだが、今日もやっぱりダメでした。能掛かりの舞って、苦手なんだよね。

と言うわけで勘三郎の静も時々意識を失いながら見ていたので、あまり偉そうなことは言えないが、さすがに普段から女方もこなす人なので、佇まいに無理がない。足運びに無駄がないのがさすがと思わされ、静の悲しさ寂しさがしっかり見える。ただ、台詞を言うと、この人の声はどうがんばっても色気のある声じゃないから、興醒めしてしまう。踊りだけなら満点なんだけどねえ。
静の衣装は祖父の六代目菊五郎が着たものと、玉三郎から贈られたものを日替わりで用いると言うことだが、今日のはどっちだったのだろう。新しそうに見えたから玉三郎の方かな。
後半の知盛の霊では、動きも大きく迫力もあり、さすがに見応えがあった。

橋之助の弁慶はやや線が細く、迫力不足の感あり。あれじゃ知盛が負けそうにないんだけど。
福助は先程とはうって変わって、品のある様子。でももうちょっと御大将らしい凛々しさもほしい。
三津五郎が舟長でお付き合い。どうせなら三津五郎が弁慶の方が良かったろうに。
四天王には松也、巳之助、新悟、隼人と若手がずらり。隼人がお父さんによく似てきてびっくり。
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