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七月歌舞伎鑑賞教室 [舞台]

7月20日 2時半の部 国立劇場大劇場

鑑賞教室0907.jpg

7月の鑑賞教室後半は恒例の「親子鑑賞教室」で、今日は祝日とあって親子連れがいっぱい。でも中高生の団体よりよっぽど静か(苦笑)。私自身は子供の頃歌舞伎を観たことがないので、こういう小学生ぐらいで観るとどんな風に感じるのかなあ、といつも思う。

解説は亀鶴。スッポンから何故かピカチュウのぬいぐるみを肩にのせて登場。後で舞台機構の説明の時、「スッポンは人間以外のものが出入りするところで‥‥‥なのでピカチュウと出てみました」みたいなことを言っていた。はは、なるほどね(苦笑)。
その後も黒御簾音楽、つけ打ち、後見など手早く説明。ちょっと詰め込み過ぎかな、という気もするがまあ要領よくテンポ良くやって、お決まりの客席から代表を舞台に上げて(今日はお父さんと小学生くらいの男の子)見得をやってもらったりもしていた。
後の「矢の根」と「藤娘」の紹介もあり、男女蔵の隈取りの手順をスライドで見せたりも。
さらには自身で立ち回りも見せる奮闘ぶり。絡み手役が国立劇場の研修生という紹介をして(亀鶴自身研修生出身、歌舞伎の家の生まれなのに珍しい)、たまたま今日はそのうちの一人が誕生日ということで舞台でお祝いしたり(本人は知らなかったようでびっくりしていた)、まあ、それは盛りだくさん。
そんなこんなで、今日の解説は約45分と私の経験ではこれまでで最長だった。

一・矢の根
男女蔵の曾我五郎、亀鶴の十郎、宗之助の大薩摩主膳太夫

若手だと思っていた男女蔵もいつの間にか40代に入っている。正月の浅草歌舞伎でもいつも老け役や脇の悪役などに回っていて、なかなか中央に立つ機会がないままここまで来てしまった感がある。将来の左團次だろうに。そんな男女蔵に鑑賞教室とは言え主演の、それも十八番を演じる機会が与えられたのは、喜ばしいことと思う。
荒事のこういう役は、小手先で演じてもどうにもなるものでもなく、役者の大きさがもろに出てしまうところがあり、男女蔵も苦労していると思う。それでもとにかく、素直に余計なことをせず一生懸命やっているのが見えて好印象。声がお父さんそっくり。今日も役者のDNAの凄さを感じてしまった。厳しいことを言えば足りないところはいっぱいあるだろうけれど、今日はそれは置いておいて、今回の経験を先に生かしてほしいと思う。

亀鶴の十郎というのはちょっとニンから外れている気もするが、とりあえず行儀良く勤めていて、さっきの解説といいご苦労様と言うところ。この人はセンスの良さを感じるので、これからもっと活躍してほしい。
大薩摩主膳太夫というのは、台詞が一言もないという変わった役で、今回は宗之助がお付き合い。ちょっともったいない気も。

夢から覚めた五郎が身支度するところで、後見が仁王襷を初めから付ける場面があって、いつもこうだったっけ、と思いながらその手際に感心した。もう形にしてあるのを背負うわけじゃなかったのね。後見って大変。

二・藤娘
梅枝の藤の精
若手女方有望株の梅枝だが、一人で踊るのを観るのは初めてだろう。まだ21才、さすがに色気という点では不足していて表情もちょっと硬いが、最初から最後まで丁寧に行儀良くやっていたのはよかった。見た目も美しく華やかで良いが、この踊りではやはりもうちょっとくだけたかわいげがほしい気はする。まあこの人はこの先またこれをやる機会はきっとあるだろう。

鑑賞教室の良いところは、長唄の詞が字幕で出ることで、舞台に集中できないとか欠点もあるが、イヤホンガイドが苦手な(あれこそ舞台に集中できないのよね)私などには有り難い。掛詞など、漢字で見るとすんなり飲み込めるのが耳からだけだとよく解らないのですよ。歌舞伎座でやってくれとは言わないが。
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