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新橋演舞場5月大歌舞伎・夜の部 [舞台]

5月18日

朝から家事をやっていたら腰にぴりっと痛みが。ぎっくり腰と言うほどではないが、その後も持続的に痛い。元々腰が弱いので気をつけてはいるのだが、ああやっちゃった。そんなわけで、じっと座っての観劇がかなり辛くて、時々もぞもぞと動いて後ろの方にはご迷惑だったことと思う。ごめんなさい。

一・鬼平犯科帳 狐火
吉右衛門の長谷川平蔵、芝雀のおまさ、錦之助の又太郎、染五郎の文吉、歌六の源七、段四郎の彦十、歌昇の粂八

一昨年の「大川の隠居」に続いての鬼平。前回よりは原作に忠実な展開だったかと思う。
吉右衛門の平蔵に関してはもう何も言うこともない。テレビでおなじみの懐の深い、さばけた雰囲気がそのままで、前回はなかった捕り物での「長谷川平蔵である!」の決め台詞と立ち回りも見られてファンとしては満足満足。

配役を見て正直「えっ」と思ったのが芝雀のおまさだったが、これが意外に良くて、元は盗賊とは言いながら、純粋な心を持った生真面目でいじらしい、芝雀らしいおまさになっていた。
錦之助の又太郎も、盗賊ながら心根の良い、純な男の様子があってなかなか。芝雀との取り合わせもよく、似合いの一組になったのは収穫。

染五郎が、ひねくれ者だが、本当は甘ったれの心の弱い弟を上手く出した。
歌六も風格のある元盗賊の様子が上手い。幕切れの平蔵とのやり取りも良い味。
歌昇、段四郎もニンにあった風情。

二・於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)  お染の七役
福助の油屋娘お染/丁稚久松/許嫁お光/後家貞昌/奥女中竹川/芸者小糸/土手のお六
段四郎の久作、錦吾の善六、染五郎の喜兵衛、歌昇の山家屋清兵衛

鶴屋南北の作で、お染久松と言っても「新版歌祭文」などとはかなり様子が違う。筋がどうのと言うよりは、七役の早変わりと演じ分けが眼目と言ったところか。

その七役を勤めた福助だが、まあなんというかコメントに困ってしまう(笑)出来で。
もちろん早変わりは、あっと言わせるところもあって、素直に手を叩くことはできる。
でもサービス精神が旺盛と言うよりは過剰で、まるで新宿コマ劇場のワンマンショーみたい。客席に愛嬌を振りまくのも度を超すと辟易するのよね。
そして七役のうち、いちばん良いのが土手のお六で最悪がお光というのでは、この人の今後の女形としての立ち位置を考えると、暗澹たる気分になってしまう。福助は将来どういう女形になりたいのだろう。

染五郎の喜兵衛が、ニンじゃなさそうだが、精一杯悪ぶってやっていて妙に可笑しい。何だか楽しそうな染ちゃん。
段四郎の久作が、狂言回しというか、一人真面目にやっているのがツボで面白い。
歌昇も懐の深そうな良い味。

それにしても話はよく解らない。最後はお染と久松が心中するのかと思いきや、突然お六の立ち回りになって幕って一体…。結局あの刀の折紙はどうなっちゃったんでしょうね(笑)。

ところどころで、錦吾らが「ダイジョブダイジョブ」とか「ウィッシュ!」とか、流行のギャグを取り入れていたが、年配のお客様も多く滑り気味(苦笑)。みんな、福助に引きずられてか、なんとか受けようとしているみたいで、時々観ていていささか辛くなる場面もないではなかった。なんというか、がんばる方向が違うんじゃないのかなあ。

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