SSブログ

二月文楽公演第三部 [舞台]

2月22日

女殺油地獄
 徳庵堤の段
 河内屋内の段
 豊島屋油店の段
勘十郎の与兵衛、紋寿のお吉、玉也の徳兵衛、玉英のお沢、玉女の太兵衛、清十郎のおかち

そういえば、この演目を歌舞伎ではまだ見たことがない。よくやっているような気がするけど、縁がないのだろう。文楽ではもう3,4回目かしら。
大詰めの殺しの場面など、人形でしかできない動き(油に足を取られてつつーっと滑っていくとか)があって、人間の役者ではどんな風に演じるのかな、と思いながら見ていた。面白いことだが、人形でやるからかえって生身の人間よりも本当らしく見えることがあるものだ。

勘十郎の与兵衛が上手い。登場したときの肩を怒らせた歩き方一つで、与兵衛の虚勢を張った性格が手に取るように見える。親にも手を挙げる乱暴者だが、小心者でもある与兵衛の心の有り様を、顔の向き、腕や足の突っ張り加減で一つ一つ丁寧に表現した勘十郎の力量に改めて感心した。この数年で本当に幅が広くなったと思う。

紋寿のお吉も、親切だが物堅い商家のおかみの風情をしっとりと演じて上々。
玉也と玉英も手に入った様子で、子への愛情と悲しみを見せた。
玉女と清十郎はちょっとしたごちそうだが、さすがに手堅く見せた。

河内屋内の段の奥が呂勢と清治で、ついに与兵衛を勘当するに至る両親の苦悩をしっかり聞かせた。
豊島屋の段は咲と燕三。前半は与兵衛の両親の切ない胸の内をたっぷりと語り、後半の殺しの場面では緊迫した状況を燕三の畳みかけるような三味線が盛り上げてさすがに聴かせた。

4月は大阪で「義経千本桜」の通しだが、行く気はなかったけどやっぱり行きたくなってきたなあ。だって簑助さんの静御前久しぶりだし、住大夫さんのすし屋の段も聞きたいし‥‥。文楽だけのために遠征したことはなかったんだけど、今真剣に検討中です。
タグ:文楽 勘十郎
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。