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又五郎さん死去 [舞台]

2月21日、歌舞伎俳優の中村又五郎さんがお亡くなりになりました。享年94。
ああ、ついにこの日が来てしまったのね、と言う気持ちです。
もうしばらく舞台からは遠ざかっていらっしゃったし、(私が最後にお姿を拝見したのは、06年四月の6世歌右衛門追善公演の口上の時です。でもこのお正月の手打ち式には出ておられたそうですが)、もうお芝居を見ることはないだろうとは思っていましたが、やはり寂しいです。

そんなにたくさんの舞台を拝見したわけではありませんが、記憶に残っているのは「髪結新三」の家主、「引窓」の母お幸、「傾城反魂香」の土佐将監などでしょうか。どれも本当に絶品で、他の人には真似できない味わいのあるものでした。特に「髪結新三」の家主など、又五郎さんのを一度見ていると、他の誰がやったのを見ても物足りなく思えるような痛快さがありました。

作家の池波正太郎さんが「剣客商売」の小兵衛を又五郎さんにあてて書かれたのは有名で、昔々テレビドラマ化されたときも演じておられて本当にぴったりだったのを懐かしく思います(歳がばれる?)。

また、国立劇場の養成所の講師も務められて、昔その様子をテレビのドキュメンタリー番組か何かでちょっと見た記憶があるのですが、本当に熱心に教えておられて、生徒達に「(歌舞伎は門閥制だけれど)、きっと君たちが必要とされる時代がくるからがんばりなさい」というようなことを仰っていました。今、本当に脇役さん達は養成所出身の人がいなければ成り立たなくなっています。これも又五郎さんが道筋をつけて下さったおかげでしょう。

毎日新聞に吉右衛門さんが「播磨屋も私一人になってしまいました」というコメントを寄せておられたのが、本当にお寂しそうで胸が痛みます。
ご冥福をお祈りします。
タグ:又五郎
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