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「セザンヌ主義」展 [美術]

1月12日 横浜美術館
http://www.ntv.co.jp/cezanne/index.html

横浜美術館に行ったのはすごくひさしぶりな気がする。以前住んでいた埼玉県内からはかなり遠くて、2時間以上かかったので、何となく行きにくい印象が消えないのだが、実は今の家からだと1時間くらいで行けてしまう。特に地下鉄がみなとみらいまでとおってからは便利になったしね。

セザンヌ主義a.JPG

さて今回の展覧会は「セザンヌ主義」展。セザンヌ主義というのも聞き慣れない言葉だが、要するにセザンヌの絵と、セザンヌに影響を受けセザンヌを尊敬する画家達の絵を並べて観てみよう、ということらしい。特に日本人画家の絵が多いのが特徴。

素人目にも明らかにセザンヌの模倣をしていると思われるものもあれば、ちょっとこじつけじゃないの、と思われるものもあり、影響の表れ方は様々。
中で正直言って意外だったのがモディリアーニで、↑のチラシの絵を見てまず「あれ、モディリアーニ?」と一瞬思ったらこれはセザンヌで、そのちょっと後に展示されていたモディリアーニと雰囲気がよく似ていた。これまであまりセザンヌとモディリアーニを結びつけて見たことがなかったので、へええ~、そうなんだ、と面白かった。

一方ではシャガールとかブラックとか、一見したところ関連あるの?と思うものもないではない。
他にもゴーギャン、マティス、ピカソらそうそうたる顔ぶれの絵が並び、これらがみなセザンヌの影響を受けたと言うことは、セザンヌがいなかったら20世紀の美術史が変わっていたのかも!?などと考えてしまった。

日本人画家では安井曾太郎、岸田劉生らの絵が並ぶが、中で特に安井は人物画、静物画、風景画と多岐にわたってセザンヌの影響を受けた模様。影響を受けると言えば聞こえはいいが、要は真似をしているわけで、そこから抜け出して自分の流儀を確立することの難しさは並大抵なことではなかったろう。それが出来た人だけが、ただ絵の巧い人ではなく真に芸術家となれるのだ、という当たり前ではあるが深遠なる事実にあらためて呆然となる思い。
安井.jpg
その安井がセザンヌとの出会いから20年あまりを経て到達した絵がこれ。確かにセザンヌの影響を自分の骨肉とした力がうかがえる。

取り上げられている画家全てが有名なわけではないが、セザンヌの絵だけでもかなり展示されていて見応えは十分の展覧会。

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palette

おそくなりましたが、新年おめでとうございます!
本年も、どうぞよろしく。
私も11日にこれを見に行きました。1日ずらしていたら、ニアミス?

>影響を受けると言えば聞こえはいいが、要は真似をしているわけで、そこから抜け出して自分の流儀を確立することの難しさは並大抵なことではなかったろう。それが出来た人だけが、ただ絵の巧い人ではなく真に芸術家となれるのだ

とても深いですね。感動しました。
by palette (2009-01-17 13:38) 

mami

paletteさん、こんばんは。
こちらこそ、遅くなりましたが今年もよろしくお願いします!

1日違いで行かれてたんですね。そのうち本当にニアミス起こしそうですね。
このセザンヌ展、実は行くのを迷ってたんですが(セザンヌは半分くらいしかないし~、とか思って)、行って良かったです。
いろんな人がいろんな受け止め方をしているのがわかって面白かったです。
by mami (2009-01-17 23:40) 

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