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九月文楽公演・第一部 [舞台]

9月15日 国立劇場小劇場

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開演前のロビーでは新清十郎さんがファンと記念写真に応じてらっしゃる姿が。私も撮ってもらいたかったけど、連れもいなかったので気後れして諦めました(笑)。清十郎さんは第二部でも受付の所に立って、挨拶を受けてらっしゃいました。舞台を勤めるだけでも大変だろうに、ご苦労様です。

一・近頃河原の達引
 四条河原の段
 堀川猿廻しの段

「猿廻しの段」は歌舞伎でもよく上演されるが、伝兵衛が死ななくてはならなくなる事件を描いた「四条河原の段」は珍しく、初見。
「猿廻しの段」前半は住大夫と錦糸。約30分と短い出番だが、おしゅんと母、兄の与次郎の肉親の情愛をしみじみ聴かせてさすが。
奥は綱大夫と清二郎。綱大夫は5月の休演から復帰されたのは喜ばしいが、やはりまだ本調子ではないのか、お声など以前の張りがないようなのは心配。去年人間国宝に認定されたばかり、まだまだ頑張っていただかないと。

人形はおしゅんが簑助で、じっと耐える様子がさすがに美しい。
伝兵衛は玉女、四条河原の段での動きのある場面の方はやはりニンにあっていて立派。与次郎内ではさほど見せ場もなくいささか手持ちぶさたなようで、まあこれは誰がやってもだけれど、玉女さんはやっぱり武士など柄の大きな役の方がお似合いと見た。
紋寿の与次郎におかしみと優しさ哀れさがあってさすがに上等。
猿廻しの場面では、猿を遣う人(頭巾をかぶっているので誰かわからない)が両手に一匹ずつの猿を持って遣うのが面白可笑しかった。お猿さんが可愛い~。

二・豊松清十郎襲名披露口上
進行役の文字久大夫の口上の後、住大夫、寛治と義太夫、三味線を代表するお二人の口上。
次に師匠の簑助だが、病気の後遺症で言葉の不自由な簑助さん、振り絞るような「新、清十郎を、よろしくお願いいたします」の言葉にジ~ンと来た。
師匠の代わりでもないだろうが、続いて口上を述べた兄弟子の勘十郎、「先代には新清十郎と一緒にお世話になった」とのことだが、おもえばこの人達が小・中学生の頃から弟子入りをした最後の世代になるのではないだろうか。これからも競い合ってがんばっていただきたい。

三・本朝二十四孝
 十種香の段
 奥庭狐火の段

清十郎襲名披露公演。清十郎は八重垣姫。勝頼に簑助、濡衣に文雀、謙信に勘十郎と、お披露目らしく豪華な顔ぶれだが、これだけの人に囲まれたら緊張しそう(笑)。
楚々とした役が得意の清十郎さんは、赤姫らしい品のある様子が美しく、もうちょっと色気が出ればいいなとは思うが、きっちりと行儀のいい造りが好ましい。「奥庭」では激しい動きもしっかりこなして上々の出来。
簑助の勝頼がさすがに気品があり、存在感では清十郎を食ってしまうのは致し方ないか。
文雀の濡衣も哀れさと芯の強さを見せて立派。
人間国宝お二人に付き合っていただいた清十郎さん、大変だろうが幸せなことだと思う。

「奥庭」で狐が乗り移った八重垣姫の左と足も出遣いになるのは通例だが、誰がやるかなと思ったが左が勘十郎の豪華版、足は簑次。確か勘十郎さんは前に簑助さんが八重垣姫をやったときも左を遣っていらした。それくらいこの左は大変と言うことだろう。さすがに手慣れた様子でしっかり清十郎をサポートして花を添えた。足の簑次も大きな動きで大変そうだがよくやっていて拍手。

「十種香の段」は嶋大夫と宗助。いじらしい女心を語らせたらいちばんの嶋大夫さん。ここでも八重垣姫の切々とした恋心、濡衣の秘めた思い、勝頼の悲哀など、ひしひしと伝わる立派な出来。
「奥庭」は津駒大夫と寛治、清馗、寛太郎。寛治を始め3人のツレ弾きで華やかにも激しい場面を聴かせて盛り上げて聴き応え十分。
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