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国宝薬師寺展 [美術]

5月20日
http://yakushiji2008.jp/yakushiji/index.html
IMG1.JPG

国立劇場の前に上野に向かう。
日によっては1時間かそれ以上待ちという話も聞いていたので、待ち時間が長いようなら諦めて他の美術館に行こうと思っていたが(上野はこういう点、便利)、この日は平日とあってか待たずに入ることが出来た。とは言っても中は相当の混雑ぶり。

薬師寺には昔行ったことがあると思うのだが、近くの法隆寺や唐招提寺の印象が強くて、実はよく覚えていない。
平城京遷都1300年記念というこの展覧会、目玉は金堂の国宝「日光・月光菩薩立像」が二体揃って展示されること。同じく「聖観音菩薩立像」ともども、光背を取り払って360度ぐるりと見ることができるというのも、展覧会ならでは。
三体とも足元から見上げるように見ることもできるし、少し離れたところにバルコニー状の足場があってそこからお顔をじっくり拝見することも出来るように展示されていたのはとても親切。
「日光・月光」は金堂、「聖観音」は東院堂、と安置されている場所は違うのだが、衣の襞の具合、髪型などはよく似ていて、7,8世紀頃の仏教彫刻の水準の高さを示しているようだ。鋳造でこんな大きな像を作り上げた当時の技術はすごい。
どちらも均整の取れた無駄のない美しい姿だが、特に「日光・月光」の少し腰をひねった姿勢に人間らしい優美さのようなものも感じられた。

その他ではやはり国宝の「八幡三神坐像」の小ぶりながらしっかりとした造形が目を引いた。作られた当時は華やかな彩色が施されていたのだろう、今はかなり褪色しているがそれでも美しい色合いがまだ認められた。
また絵画では、「吉祥天像」が小さい絵だがふくよかな飛鳥美人の面影を見せてくれる。 

こういう展覧会を見るたびに思うのは、日頃ほとんど信仰心など持たないのにこういった展覧会には大挙して押し掛ける日本人というのも、自分を含めて不思議だなあ、と言うこと。来場者のほとんどは、仏像を拝みにではなく鑑賞しに来ているのだろう。信仰の対象ではない仏像というのはどうなんだろう。仏像はどこにいても何も言わずに人々を見守っているけれど。
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まりか

こんにちわ~以前 書き込みさせていただきました まりかです。
私も 薬師寺展いきました。私 変?なのか『聖観音菩薩』に釘付けになり、惚れてしまいました(涙まで出ちゃって(恥))。日光月光菩薩は『色っぽい感じで』
現代人も見惚れるのだから、昔の人はさぞかし「信仰深く」なったのでしょうね。
千年前なのに、迫力があり、現代にも通じる、凄い!!
歌舞伎もそうですよね~守り引き継ぎ継承して、「和の美」を見せる。
夢なんですが、そういう世界に、関わってみたいです。
by まりか (2008-06-14 16:10) 

mami

まりかさん、こんばんは。おひさしぶりです。
「聖観音菩薩」もすっきりした立ち姿がとてもお綺麗でしたよね。
長年、人々に拝まれてきた仏様には、人を癒す力がこもっているように感じました。

歌舞伎もやはり長年の伝統の積み重ねの上に、人を惹き付ける力があるのでしょう。
まりかさんの夢がかなうといいですね!
by mami (2008-06-14 23:07) 

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