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きもの展 [美術]

東京国立博物館
https://kimonoten2020.exhibit.jp/index.html

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これも春から開催のはずが延期になっていて、中止にならずに良かった。

ここで言うきものとは、桃山時代以降、武家や庶民が着た小袖を中心としたもの。基本の形はほとんど変化がない中で、染織、刺繍と言った装飾手法の多様さ、描かれた柄の流行・変遷などをたどり、現在までの約500年の着物文化を見せる。

展示されているのはどれも身分の高い人や金持ちが着たであろう豪華なものばかり。こんなの本当に着てたのか、と感心するような。

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縫箔 白練緯地四季草花四替模様
安土桃山時代・16世紀
四替わりという大胆なデザイン。梅、藤、紅葉、雪持ち笹という四季を表すデザインそれぞれが見事。

中には秀吉の北の方寧々や、幕末の和宮や天璋院など有名人のものもあって、大河ドラマを思い浮かべながらあんなもんじゃなかったんだな、と思ったりして。

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小袖 黒綸子地波鴛鴦模様
江戸時代・17世紀
装飾手法の素晴らしさもさることながらこの大胆なデザイン。一体どんな女性がこれを着こなしたのか。

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振袖 紅紋縮緬地束熨斗模様
江戸時代・18世紀
これもまた大胆豪華。熨斗に見立てた一本一本が友禅染。ため息が出る。

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小袖 白綾地秋草模様
尾形光琳筆 江戸時代・18世紀
繊細で美しい光琳の直筆の絵。これなら今でも着られるかも。光琳が世話になった人の奥方のために描いたとか。豪華な刺繍よりも贅沢な品。

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陣羽織 黒鳥毛揚羽蝶模様
織田信長所用 安土桃山時代・16世紀
女物だけでなく男物も。信長着用というこれはさすがにユニークなデザイン。上の黒っぽい部分は鳥の羽を縫い付けてある。南蛮風の衣装も着たという信長だもの、これくらいはね。

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火消半纏 紺木綿地人物模様
江戸時代・19世紀
刺し子で描かれた勇壮な絵は浮世絵から採ったものか。江戸の火消しが粋を競ったであろう、男伊達を飾るきものは文句なしに格好いい。
なおこの半纏のコーナーには国芳の浮世絵も並べて展示してあったのは良かった。

着物そのものだけでなく、流行りの風俗を描いた屏風や浮世絵、美人画などの他、櫛笄などの髪飾り、印籠や根付、帯留めと言った周辺の品々も展示。

明治以降の銘仙などのモダンな着物、さらには戦後から現代の作家の作品まで盛りだくさん。
西洋の豪華なドレスに負けないどころか、凌駕するような絢爛豪華な日本の衣装の文化を堪能できる。
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