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KAAT竹本駒之助公演 [舞台]

3月6日(月) KAAT神奈川芸術劇場中スタジオ
駒之助1703.jpg

女義太夫の人間国宝、竹本駒之助さんの公演。
今回は一谷嫰軍記の「熊谷陣屋の段」を一段丸々語るという。近頃は文楽の太夫でも一段語る人はいない。それを80歳を過ぎた女性が語るというのだから恐れ入る。
相三味線は鶴澤津賀寿さん。

文楽と違って、女義は人形はつかず素浄瑠璃が基本。観客と正面から向かい合う真っ向勝負。
男の太夫を聞き慣れてる耳には、女義ってどうなんだろう、という不安はすぐに払拭される。もちろん、音量という意味では男性に劣るかもしれないが、気迫とか、力強さとかで引けを取る気は全くしない。それどころか、語り口の丁寧さ、登場人物の語り分けの的確さ細やかさが、物語をくっきりと浮かび上がらせる。女性なんだから相模や藤の方がいいだろうと予想していたが、むしろ義経や弥陀六が眼前に現れるようだった。
熊谷の眼目の台詞「十六年はひと昔」はさらりと聞かせ、その後の「ほろりと流す涙の露」にぐぐっと情がこもったのに胸が熱くなった。

最後まで調子が衰えないどころか、後半にかけてどんどんのってくるようで、圧倒された。
はあ、ええもん聞かせてもらいました。こちらの寿命が延びた気がする。どうぞいつまでもお元気でまた聞かせていただきたい。
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