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六月大歌舞伎 第三部 [舞台]

6月21日(火) 歌舞伎座
1606忠信2.JPG
今月、第三部だけ再見した。一回目観て良かったから、と言うのもあるが、実は一回目の時、前の席の人が大きくて、舞台が半分しか見えなかったのだ(>_<)。なので、悲しくてリベンジ。運だから仕方ないけど、一階じゃなくて3階だったのよ。どんだけ大きい人なんだ。。。

道行初音旅
三代猿之助四十八撰の内
川連法眼館 市川猿之助宙乗り狐六法相勤め申し候

〈道行初音旅〉
佐藤忠信実は源九郎狐   猿之助
逸見藤太    猿弥
静御前     染五郎

猿之助は襲名以来狐忠信をやり続けていて、今公演中に四の切りは300回を超えたそう。スーパー歌舞伎と狐しかやらんのか、と内心毒づいていて、今月も「あ~あ、また狐なの?もういいわ」と正直思っていた。
でも改めて見ると、やっぱり凄いの一言。ぐちゃぐちゃ言ってすいませんでした、はは~<(_ _)>って感じ。

道行の忠信は、精悍で狐の本性を割と露骨に見せながら、でも忠信としての戦物語の颯爽とした踊りや静へのお仕えの仕方がきっちりしていてスマート。襲名の頃は、踊りがもっとこれ見よがしな巧さがあって、そこが見物でもあり、一方で義太夫狂言の品を下げる面もあったように思うが、そういうギラギラ感が抑えられるようになって格が上がった。素直に格好いい忠信。最後はぶっ返って引っ込む派手な澤瀉屋の型がよく似合う。

染五郎の静、浅葱幕が落ちると板付きで舞台に立つ姿が実に美しい。え、こんなに別嬪さんだったっけ。女形は今までにも何度かやってるけど、今回は特に綺麗に見えた。猿さん相手だから?(笑)

猿弥の藤太が傑作。愛嬌溢れて、おかしみもたっぷり。お馬鹿で憎めない、可愛い藤太。役者の名前を盛り込んだ口上も上手くて聞かせる。猿弥さん、好きだわ~。


〈川連法眼館〉
佐藤忠信/忠信実は源九郎狐   猿之助
駿河次郎    松也
亀井六郎    巳之助
川連法眼    寿猿
飛鳥      吉弥
静御前    笑也
源義経    門之助

まず本物の忠信が、武士らしく落ち着きのある様子をきっちり。
でもやっぱり眼目は源九郎狐の方。ケレンの動きの見事さに目を見張り、狐言葉や小首を傾げる仕草などが本当に可愛らしい。鼓を貰い受けての嬉しそうな様子に胸が熱くなる。宙乗りでは大きくゆらしたり、愛嬌たっぷりサービス満点。
一部からずっと見てきても、最後の狐に全部持って行かれた。染ちゃん気の毒なくらい。

門之助の義経がさすがに品と悲哀があり、御大将の貫禄。
笑也の静は可憐で美しいが、義太夫味が薄いのがなんとも。

寿猿と吉弥がでるのに、始めの小芝居がなくて残念。もったいないわ。
巳之助の六郎が荒々しくて元気いっぱいで良い。
松也の駿河もすっきり。だが正直言って、松也を三部とも出す必然性を感じない。この駿河くらい歌昇でも良かったのでは、と思う播磨屋贔屓ですいません。

澤瀉屋の四の切りは、最後の化かされ荒法師が6人も出てきて、動きもアクロバティックでここも見所。文句なしに楽しい一幕で、通し狂言を気持ちよく打ち出し。

猿さん、と言うか澤瀉屋一門にはスーパー歌舞伎よりもっと古典をやってほしい。と言うのを痛感した。
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