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ボストン美術館展 [美術]

4月17日(火) 東京国立博物館
http://www.boston-nippon.jp/

ボストン美術館の、日本美術だけの里帰り展覧会。
つくづく、こんなすごいモノを海外に放り出しちゃって、明治時代の日本政府の芸術政策の無策ぶりを感じる。まあ、とは言えそういうのは日本だけじゃなくて、エジプトやギリシャの美術品は大英博物館はじめヨーロッパの博物館に行った方が良いものが観られたりするわけで、19世紀には美術品保護なんて考え自体なかったんだから仕方ないんだねえ。

今回は仏画をはじめとして、水墨画、絵巻、刀剣、能装束など着物類、障壁画、などの名品が並ぶ。浮世絵や琳派などはあまりないのでいささか通好みというか、渋い選択かもという気はした。

私がいちばん面白かったのは、「吉備大臣入唐絵巻」。遣唐使吉備真備の活躍を描いたもので、話もドラマティックで面白いが、絵もユーモラスでかつ細かい描写が生き生きとして楽しい。こういうのを観ると、日本人の漫画好きは1000年近く昔からのものなんだなあ、と感心するやら呆れるやら。
(HPで詳しく見られます)
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吉備大臣入唐絵巻 (きびだいじんにっとうえまき) (部分)

見た目に華やかだったのは着物類。能装束はお大名が贅を尽くして作ってるからまさしく金襴豪華。小袖類も意匠が凝っていて綺麗ねえ。
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小袖 白綸子地松葉梅唐草竹輪模様
(こそで しろりんずじまつばうめからくさたけわもよう)

仏像、仏画も名品揃い。
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弥勒菩薩立像(みろくぼさつりゅうぞう)
快慶作 鎌倉時代・文治5年(1189)
鎌倉仏像にしては優美な表現。ほっそりとした体つきも評定も美しい。

充実していたのは水墨画や障壁画。

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龍虎図屏風 (りゅうこずびょうぶ) 長谷川等伯筆 
出光美術館に似た感じの虎の絵があったような。ユーモラスだが端正な、晩年の等伯らしい気品ある絵。

そして今回の目玉とされるのが簫白の数々の絵。

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雲龍図
中でもこれはど迫力の一言。ちょっと笑っちゃうくらい。この目玉とか爪とか、もうほとんど劇画の世界。面白いですねえ。江戸時代ですよ。

浮世絵はないし、日本美術を網羅した展覧会ではないけれど、とても面白かったです。




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