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新春浅草歌舞伎 夜の部 [舞台]

1月15日(日) 浅草公会堂

例年通り、昼夜通しで続けて観劇。この浅草歌舞伎は短いので、通しで見てもそんなにしんどくないので助かる。でもいつもだと昼夜の入れ替え時間に浅草寺にお参りに行けたのに、今年はあまり時間がなくて行けなかった。

お年玉〈年始ご挨拶〉
この日は薪車。初めて浅草に出られて嬉しい、と言ったお話。

猿之助四十八撰の内
通し狂言 敵討天下茶屋聚(かたきうちてんがぢゃやむら)
  序幕 四天王寺の場より  大詰 天下茶屋村敵討本懐の場まで           
安達元右衛門/片岡造酒頭  亀治郎                   
安達弥助  男女蔵                  
早瀬源次郎  巳之助                
源次郎許嫁葉末  壱太郎                
人形屋幸右衛門  薪 車                 
伊織妻染の井  春 猿                   
早瀬伊織  亀 鶴                
東間三郎右衛門  愛之助

去年5月には幸四郎が元右衛門と東間を二役でやっていたが、亀治郎は元右衛門と造酒頭の二役。こちらの方が善悪二役でメリハリもついていい。

亀治郎の元右衛門は、愛嬌と残虐さの両面がよく見えて、しかも身体能力が高いから、藤棚に登って家に忍び込もうとするところや、大詰めでの立ち回り(と言うか逃げ回り)の場面など、スピーディさと曲芸的な身のこなしを見せて魅せる。ただ、その滑稽味が時として悪のりに見えることもあり、こういう演目だからあまりうるさく言ってもどうかとは思うが、行儀悪く感じられることもないではない。もちろん、ご贔屓にはそれが魅力なのだろうけれど。
造酒頭の方はすっきりした捌き役。でもどちらかというと元右衛門の方がニンか。立ち役でもあまりこういう実事っぽい役の空気がまだない気がする。

男女蔵の弥助が実直な下男の様子でまずまず。
巳之助の源次郎も健気で律義な若者のいたいけなさがよく出て上々。
春猿の染の井がしっとりした女房でこの座組では一日の長あり。
壱太郎が可憐。
薪車も誠実な商人でもうけ役。

亀鶴の伊織がすっきりした二枚目振り。殺される場面では哀れさ無念さを見せてなかなかの出来。こういう役出来る人なんだよ。もっと本公演でも良い役で使ってほしいなあ。
(でも殺された後の場面で、あ~、先月も「らくだ」で死体やってたなあ、って思い出したのは内緒)

愛之助の東間は、かなり無理無理感あり。東間の血の涙もない大悪人というふてぶてしさや大きさが見えず、辛い。悪役って難しいんだよ。

来年からは、亀治郎も浅草卒業とのこと。一体どういう顔ぶれになるか、それはそれで楽しみではある。
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