国立劇場11月歌舞伎公演 [舞台]
11月14日(月)
国立劇場開場45周年記念公演の第二弾は、近松特集。
一・日本振袖始
序 幕 出雲国簸の川川岸桜狩の場
二幕目 出雲国簸の川川上の場
梅玉の素戔嗚尊、魁春の岩長姫実は八岐の大蛇
そういえば、これって近松だったのね~。二幕目しか見たことなかったけど、今回は序幕付きで、素戔嗚尊と稲田姫の出会いと、素戔嗚尊が八岐の大蛇退治に向かう発端を見せる。外題の「振袖始」の由来もやっとここでわかるが、なんじゃらほい、という感じではあった。
見て面白いのはやはり二幕目の方で、美しい姫のなりをしていた岩長姫が本性を現し、恐ろしい八岐大蛇となって素戔嗚尊と戦うところが見物。魁春が珍しい隈取りを見せ、大蛇となってからは珍しい地声の発声。魁春さんの地声なんて聞いたの初めてかも。若衆でさえ立ち役なんて滅多にやらない人だもの。
梅玉が凛々しい若武者の風情。気品があってすっきりした様子がさすがにお似合い。
大蛇との立ち回り、と言っても舞踊的な動きだが、もきびきびとした様子。
その大蛇は魁春の他に八岐大蛇だから、クローンみたいに7人(匹?)出てくるのが面白い。最後はいちばん橋の役者さんが逆立ちして大蛇の尾に見立てた風情なのも楽しかった。
稲田姫は梅丸君。声変わり中らしく、発声が苦しそうだが、見た目は可愛いお姫様。この子も先が楽しみな一人。
二・「曽根崎心中」(そねざきしんじゅう)
第一場 生玉神社境内の場
第二場 北新地天満屋の場
第三場 曽根崎の森の場
藤十郎のお初、翫雀の徳兵衛、亀鶴の九平次
意外にも国立劇場では初めての上演だという。藤十郎のお初はもう上演回数が1300回以上になると言うからギネス級では。もはや改めてコメントする必要もない、藤十郎最大の当たり役。あのお歳で、いつまでも初々しい一途な娘を演じられることには驚かされる。(さすがに19歳には見えないとしても)相変わらずの若々しい可憐さに脱帽。
翫雀の徳兵衛もすでに手に入って安定した出来。はめられ辱められた男の悔しさと悲しさ、お初への愛情が無理なく見えた。初演の頃は父藤十郎のお初に引っ張られる一方だったが、この頃は余裕も出てきた様子。
九平次の亀鶴は抜擢と言って良いだろう。期待に応えて、敵役らしい憎々しげなところもありながら、ちょっぴり男の色気も感じさせる、二枚目敵風の九平次になっていて新鮮。良いね、亀鶴。こういう役をもっとやって欲しいのよ。
藤十郎の曽根崎心中、もちろんなんの不満もない上出来な舞台ではあるが、正直なところ、そろそろ専売特許は返上していただいて、もっと若手の役者でも見てみたいと思うのも事実。
国立劇場開場45周年記念公演の第二弾は、近松特集。
一・日本振袖始
序 幕 出雲国簸の川川岸桜狩の場
二幕目 出雲国簸の川川上の場
梅玉の素戔嗚尊、魁春の岩長姫実は八岐の大蛇
そういえば、これって近松だったのね~。二幕目しか見たことなかったけど、今回は序幕付きで、素戔嗚尊と稲田姫の出会いと、素戔嗚尊が八岐の大蛇退治に向かう発端を見せる。外題の「振袖始」の由来もやっとここでわかるが、なんじゃらほい、という感じではあった。
見て面白いのはやはり二幕目の方で、美しい姫のなりをしていた岩長姫が本性を現し、恐ろしい八岐大蛇となって素戔嗚尊と戦うところが見物。魁春が珍しい隈取りを見せ、大蛇となってからは珍しい地声の発声。魁春さんの地声なんて聞いたの初めてかも。若衆でさえ立ち役なんて滅多にやらない人だもの。
梅玉が凛々しい若武者の風情。気品があってすっきりした様子がさすがにお似合い。
大蛇との立ち回り、と言っても舞踊的な動きだが、もきびきびとした様子。
その大蛇は魁春の他に八岐大蛇だから、クローンみたいに7人(匹?)出てくるのが面白い。最後はいちばん橋の役者さんが逆立ちして大蛇の尾に見立てた風情なのも楽しかった。
稲田姫は梅丸君。声変わり中らしく、発声が苦しそうだが、見た目は可愛いお姫様。この子も先が楽しみな一人。
二・「曽根崎心中」(そねざきしんじゅう)
第一場 生玉神社境内の場
第二場 北新地天満屋の場
第三場 曽根崎の森の場
藤十郎のお初、翫雀の徳兵衛、亀鶴の九平次
意外にも国立劇場では初めての上演だという。藤十郎のお初はもう上演回数が1300回以上になると言うからギネス級では。もはや改めてコメントする必要もない、藤十郎最大の当たり役。あのお歳で、いつまでも初々しい一途な娘を演じられることには驚かされる。(さすがに19歳には見えないとしても)相変わらずの若々しい可憐さに脱帽。
翫雀の徳兵衛もすでに手に入って安定した出来。はめられ辱められた男の悔しさと悲しさ、お初への愛情が無理なく見えた。初演の頃は父藤十郎のお初に引っ張られる一方だったが、この頃は余裕も出てきた様子。
九平次の亀鶴は抜擢と言って良いだろう。期待に応えて、敵役らしい憎々しげなところもありながら、ちょっぴり男の色気も感じさせる、二枚目敵風の九平次になっていて新鮮。良いね、亀鶴。こういう役をもっとやって欲しいのよ。
藤十郎の曽根崎心中、もちろんなんの不満もない上出来な舞台ではあるが、正直なところ、そろそろ専売特許は返上していただいて、もっと若手の役者でも見てみたいと思うのも事実。
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