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「浅川伯教・巧兄弟の心と眼―朝鮮時代の美」展 [美術]

8月28日(日)
千葉市立美術館
http://www.ccma-net.jp/exhibition_01.html
ちらし.JPG

浅川巧生誕120年記念 浅川伯教・巧兄弟の心と眼―朝鮮時代の美
という展覧会に行ってきた。
浅川兄弟のことは無知にしてまったく知らず。ただ、チラシで朝鮮陶磁器、とあったので興味を持って。中国陶器はあんまり好きじゃないけど、朝鮮のは好きなの。

山梨県に生まれた浅川伯教(1884-1964)と巧(1891-1931)の兄弟は、日本統治時代の朝鮮に移り住んで朝鮮の陶磁器や木工品の美しさを知り、その研究を深め、広く知らしめたとのこと。特に、高麗青磁はすでに芸術品として高く評価されていたが、それに比べると低く見られていた朝鮮白磁の魅力を発掘したことが、業績としてあげられる。またそういった朝鮮民芸品の価値を見直すことで、いわば朝鮮の「民芸運動」の先駆者的役割も果たしたという。

展覧会では、兄弟が所蔵していた朝鮮陶器や木工品の数々と、彼ら自作の陶器、自筆のスケッチやメモ、手紙などで二人の足跡をたどる。

メインは陶磁器類だが、半数くらいは旧安宅コレクション、現在は大阪の東洋陶磁美術館の所蔵になっていて、あちらで前に観たことがある品も多い。

チラシの壺は《青花辰砂蓮花文壺》朝鮮時代・18世紀後半 で、朝鮮陶器の傑作として名高いとか。これも安宅コレクション。日本の伊万里などの精巧な絵付けとはひと味違う、伸びやかな筆遣いと品のある色合い、とっぷりとした形が美しい。

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〈青花松鳥文壺〉朝鮮時代・15世紀 やはり東洋陶磁美術館
肌理の美しい白磁に清楚な染め付け。これも日本の染め付けより白い部分が多く感じる。

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〈辰砂蓮華文八角瓶〉 大和文華館
辰砂の赤い発色が綺麗で、絵柄も大胆で美しい。

自筆のスケッチ類も、単にメモにとどまらず、当時の朝鮮の様子を伝える絵としても興味深い。

浅川兄弟は、柳宗悦、河井寛次郎らと交流を持ち、日本国内での〈民藝運動〉に大きな影響を与えた。展覧会では、河井や濱田庄司、富本憲吉らの作品も展示されている。

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〈青花 条線文 段重〉朝鮮時代19世紀前半
最後に展示されていたのは、小さな重箱。これも安宅コレクション。前に東洋陶磁美術館展で観た時のキャプションで、安宅氏がいつも、展覧会の最後は「これで締めましょう」と仰っていたと。お気に入りだったのだろう。高さ10センチもない小品だが、安宅氏が愛したのが何となくわかるような、楚々とした一品。

日曜日に行ったのに、もったいないくらい空いてました。朝鮮の陶磁器が好きな方はぜひお見逃しなく。
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