SSブログ

吉例顔見世大歌舞伎・昼の部 [舞台]

11月22日(月) 新橋演舞場

河内山直侍.jpg

天衣紛上野初花(くもにまごううえののはつはな)
  河内山と直侍
序 幕 湯島天神境内の場       
     上州屋見世先の場   
二幕目 大口楼廻し部屋の場       
      同 三千歳部屋の場       
     吉原田圃根岸道の場   
三幕目 松江邸広間の場       
      同 書院の場       
      同 玄関先の場   
四幕目 入谷村蕎麦屋の場       
大口屋寮の場        
    浄瑠璃「忍逢春雪解」   
大 詰 池の端河内山妾宅の場

河内山宗俊    幸四郎                    
三千歳       時 蔵                  
金子市之丞    段四郎                  
松江出雲守    錦之助                   
宮崎数馬    高麗蔵                   
腰元浪路    梅 枝                   
北村大膳    錦 吾                    
おみつ      萬次郎                  
暗闇の丑松    團 蔵                 
和泉屋清兵衛    友右衛門                 
高木小左衛門    彦三郎                  
後家おまき    秀太郎                   
按摩丈賀    田之助                  
片岡直次郎    菊五郎

河内山の件と直次郎の件、別々に上演されるのはよくあるが、こうして通しで観たのは初めて。別々だと中途半端だった人間関係が、ちゃんと筋が通るのは通し上演ならではか。とはいえ、金子市之丞の絡みなど、かえって複雑になっただけのような気もするが。

幸四郎の河内山は、単独でもすでに観ているが、太っ腹な様子や剛毅さがあり、松江侯玄関先での啖呵も小気味よく聴かせて上々。今月は、幸四郎昼夜とも充実してた。

菊五郎の直次郎は当たり役。というか、今この人以外やる人がいないんだけど、これって問題じゃないのかなあ。ま、それはともかく、今江戸っ子の粋を菊五郎ほど体現できる役者は他にいない。台詞はもちろん、ぽんと着物の裾をはたいて座る仕草や、蕎麦を食べる、傘を開く、酒をつぐ、といったいちいちの仕草が、いよっ、江戸っ子だねえ、と声をかけたくなるような格好良さ。ほんと、惚れ惚れ。

時蔵の三千歳は、直次郎に惚れ込んでいる様子がよく見え、花魁らしいはんなりとした色気と可愛げがあり、といってもこの人らしくあくまで上品で、大口屋寮の場で二人の切ない逢瀬をしっとりと見せた。
しかしあの場面、わざわざ浄瑠璃がつくが、ちょっとうるさく感じられてしまった。黒御簾じゃ駄目なのかな?

段四郎の金子市之丞、剣客らしい貫禄と味がありなかなか。
でも、三千歳が妹とわかってるならもっと早く言えばいいじゃない?とか、結局鳥目じゃなかったの?とかよくわからん人物。

田之助の按摩丈賀はもはや芸術品。独特の存在感。
團蔵の丑松もはまり役。
そのほか周りも揃って、なかなか高水準の舞台となった。
今月、観る前は顔見世にしては寂しいなあ、と思っていたが、確かに大顔合わせというのではないが、役者それぞれが当たり役をきちんとこなして見せてくれて、意外にと言っては失礼だが充実した内容だった。

終演後、時間があったのでミキモト本店のホールで開催中の、中村屋の写真展へ。歌舞伎座さよなら公演中のを中心とした、勘三郎親子の写真展。全部モノクロ。中村屋大ファンの方ならきっと大喜びだろうな。私はそれほどでも、というのが実感だけど。というか、勘三郎ってやっぱり動いてなんぼの人だから、写真では彼の魅力の半分も伝わらない気がするのよね。

ミキモトの前には恒例のクリスマスツリーが飾られていた。綺麗だね。ミキモトのお店なんて縁がないので、中に入るのにかなり勇気がいりました、ハイ。
SN3N0017.jpg
nice!(8)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

nice! 8

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。