ゴッホ展 [美術]
11月1日(月) 国立新美術館
http://www.gogh-ten.jp/tokyo/
今年は、大規模な西洋美術展が多い。ルノワール展、ボストン・オルセー両美術館展、マネ展、ドガ展...と来てついに(?)日本人も大好きなゴッホ展までやってきた。今年はゴッホ没後120年なんだそうだ。そんなに前、なのか、そんな最近、なのか。
この展覧会は、「こうして私はゴッホになった」というサブタイトルが示すとおり、ゴッホの絵描きとしてのスタートから、一般に私たちがゴッホといえば思い浮かべるような絵を描くようになるまでの変遷を丁寧にたどっていく。
従って、若い頃のデッサンの数々や、影響を受けた同時代の画家の絵も結構多く展示されている。だから、ゴッホの絵だけが見たくて行くと、ちょっと「あれっ?」と思うかも。
それに、「ひまわり」も「アルルの跳ね橋」も「糸杉」もないし、超有名作は来ていない。はっきり言って、この間のオルセー美術館展の方がよっぽど良い絵は来ていたかもしれない。
でもそれでも、ゴッホの画風がどんどん変わっていくのが実感できるのは面白い。若い頃のデッサンなんて、正直言って下手(笑)。もう50年早く生まれていたら、絶対画家になんてなれなかったと思う。あれじゃ工房になんて雇ってもらえないよね。でも、時代はテクニックより個性が重視されるようになってきた19世紀後半。ほんと、後10~20年長生きしてればねえ。
オランダ時代、モノトーンに近い絵ばっかり描いていたのが、パリに出て印象派の影響を受けて、いきなり花開くように色使いが変わる様子は、まさに劇的変化。
そして運命のアルルで「ゴッホになった」フィンセント。
ひょとすると、「ゴッホになった」ことによって、逆に心を病んで一人の人間としては不幸になってしまったのかもしれない。生前は1枚も絵が売れなかったのに、120年後自分の絵がこんなに人から愛されていると知ったら、ゴッホはどう思うかしら。
会場では、出品作の一つ、「アルルの寝室」を再現して見せているのも、スペースのある新国美らしい面白い趣向。意外に小さい部屋だった。
「サン=レミの療養院の庭」
ゴッホというと、ひまわりなど黄色の印象が強いかもしれないが、私はゴッホの描く青や緑が好きだ。ライラックなどの花の溢れる庭の様子が、降り注ぐ日射しの中で描かれていて、とても綺麗。
「草むらの中の幹」
これもタンポポやヒナギクだろうか、小花の咲く草むらの柔らかな表情とと木の幹のごつごつした感じの対比が面白い。実物を見ると、花の部分が点々と盛り上がっている。
ゴッホの油絵だけだと36点と、意外に少ないと感じるが、とても丁寧で行き届いた展示だと思う。
平日の夕方入館したが、思ったより混んでいた。土日などは覚悟がいるかも。12月20日(月)まで。
おまけ。会場限定グッズにあった「パティスリー・サダハル・アオキ・パリ」のマカロン・ラスク。色が南欧っぽくて可愛かったので買っちゃった。お味も美味しいですよ。まだ全種類食べてないけど。ラスクと言うより硬めのクッキーみたいでした。
これ買って、読んでから行こうと思ってたのにまだ買ってないわ~。ゴッホの手紙の新編纂のが出たとか(ただし原語版あるいは英語だったかな)。日本語訳が出たら読んでみたいな。
http://www.gogh-ten.jp/tokyo/
今年は、大規模な西洋美術展が多い。ルノワール展、ボストン・オルセー両美術館展、マネ展、ドガ展...と来てついに(?)日本人も大好きなゴッホ展までやってきた。今年はゴッホ没後120年なんだそうだ。そんなに前、なのか、そんな最近、なのか。
この展覧会は、「こうして私はゴッホになった」というサブタイトルが示すとおり、ゴッホの絵描きとしてのスタートから、一般に私たちがゴッホといえば思い浮かべるような絵を描くようになるまでの変遷を丁寧にたどっていく。
従って、若い頃のデッサンの数々や、影響を受けた同時代の画家の絵も結構多く展示されている。だから、ゴッホの絵だけが見たくて行くと、ちょっと「あれっ?」と思うかも。
それに、「ひまわり」も「アルルの跳ね橋」も「糸杉」もないし、超有名作は来ていない。はっきり言って、この間のオルセー美術館展の方がよっぽど良い絵は来ていたかもしれない。
でもそれでも、ゴッホの画風がどんどん変わっていくのが実感できるのは面白い。若い頃のデッサンなんて、正直言って下手(笑)。もう50年早く生まれていたら、絶対画家になんてなれなかったと思う。あれじゃ工房になんて雇ってもらえないよね。でも、時代はテクニックより個性が重視されるようになってきた19世紀後半。ほんと、後10~20年長生きしてればねえ。
オランダ時代、モノトーンに近い絵ばっかり描いていたのが、パリに出て印象派の影響を受けて、いきなり花開くように色使いが変わる様子は、まさに劇的変化。
そして運命のアルルで「ゴッホになった」フィンセント。
ひょとすると、「ゴッホになった」ことによって、逆に心を病んで一人の人間としては不幸になってしまったのかもしれない。生前は1枚も絵が売れなかったのに、120年後自分の絵がこんなに人から愛されていると知ったら、ゴッホはどう思うかしら。
会場では、出品作の一つ、「アルルの寝室」を再現して見せているのも、スペースのある新国美らしい面白い趣向。意外に小さい部屋だった。
「サン=レミの療養院の庭」
ゴッホというと、ひまわりなど黄色の印象が強いかもしれないが、私はゴッホの描く青や緑が好きだ。ライラックなどの花の溢れる庭の様子が、降り注ぐ日射しの中で描かれていて、とても綺麗。
「草むらの中の幹」
これもタンポポやヒナギクだろうか、小花の咲く草むらの柔らかな表情とと木の幹のごつごつした感じの対比が面白い。実物を見ると、花の部分が点々と盛り上がっている。
ゴッホの油絵だけだと36点と、意外に少ないと感じるが、とても丁寧で行き届いた展示だと思う。
平日の夕方入館したが、思ったより混んでいた。土日などは覚悟がいるかも。12月20日(月)まで。
おまけ。会場限定グッズにあった「パティスリー・サダハル・アオキ・パリ」のマカロン・ラスク。色が南欧っぽくて可愛かったので買っちゃった。お味も美味しいですよ。まだ全種類食べてないけど。ラスクと言うより硬めのクッキーみたいでした。
これ買って、読んでから行こうと思ってたのにまだ買ってないわ~。ゴッホの手紙の新編纂のが出たとか(ただし原語版あるいは英語だったかな)。日本語訳が出たら読んでみたいな。
何かわくわくしてくるようなレビューですね。
友人と行く予定なのですが、日曜日なんです。予定変更したほうがいいかな(^^;
ゴッホの青、わたしも好きです!夜空に星がふるようなの、先日のオルセーの時来てましたね(題名が出て来ません…)
by palette (2010-11-04 07:28)
高校生のとき、初めて見た日本の演劇が
滝沢修演じる「炎の人」でしたね。
歌舞伎の素養はさっぱりありませんが、以来演劇は好きなんですが・・・
ゴッホ展、何度か行ったことがあります。
文学全集などと一緒で、網羅的な美術展より
個人全集のように個人の展覧会のほうが
その作家の変遷がわかって面白いですね。
ゴッホの絵などは、とくに初期は暗い暗いのですが
おっしゃるようにあるところから色が抜けてきますよね。
ほか画家でも初期は色がにごって暗い傾向がありますが
ゴッホは顕著な一人ですね。
by そらへい (2010-11-04 20:40)
paletteさん、
>夜空に星がふるような
「星降る夜」ですね。(そのまんまやん)あれは素敵な絵ですよね~。
今回はあんな有名な絵はないんです。でもゴッホはゴッホ。私は楽しかったです。
日曜日は混むと思いますよ~。もし可能なら平日の方がゆっくりご覧になれるとは思いますけど。がんばって見てきて下さいね。
by mami (2010-11-05 00:05)
そらへいさん、
滝沢修の「炎の人」というと、もはや伝説の舞台ですね。私は古典芸能以外の舞台は見ないのでよくは知りませんが、初観劇でそんなすごいのをご覧になってるとは、貴重な体験ですね!
確かに個人展の方が、テーマがはっきりしているので面白いかもしれません。
それに、ゴッホほど極端に色調が変化した画家も少ないですし。一方筆遣いなどあまり変わらないところもあるのが興味深いですね。
by mami (2010-11-05 00:11)
ゴッホの若い頃の作品ってあんまり知らないなぁ。興味深いですね。ゴッホのあの画風も一日にしてならず、という訳ですか。
by ぶんじん (2010-11-06 09:10)
ぶんじんさん、
ゴッホの若い頃の絵は、なんだか地味で暗~いんですよ~(笑)
それがあんなに色鮮やかな絵を描くようになるんですから、面白いですね。
by mami (2010-11-06 23:47)