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東京JAZZ2010 9/5夜の部  [音楽]

9月5日(日) 東京国際フォーラム・ホールA

二晩続きで東京JAZZへ参加。この日はNHK・FMで昼の部から1日生中継していて、昼間家で放送を聴いていた。綾戸智恵のライヴってほんとに楽しそう。

今年の東京JAZZもこの部が最後。この部のテーマは”JAZZ STREAM”。

オープニング・アクト
Han Bennink
私などは名前も初めて聞いたが、鬼才パーカッショニスト、と言うところだろうか。スティックを手に、何でも楽器にしてしまう。始めは1本のスティックを口にくわえてもう一方でそれを叩きながら声を出して度肝を抜き、次はステージに倒れ込んで床を叩き、もちろんドラムも置いてあるのだがいわゆる楽器だけが楽器じゃないよ、と言う様子で叩いて音が出るものなら何でも叩く、と言うパフォーマンス。いや~、いろんなアーティストがいるなあ。
ご本人のHPを見たら、プロフィールに”Drummer and multi-instrumentalist”とあった。納得。

第一部
Joshua Redman Trio
with Matt Penman and Gregory Hutchinson
まだ41歳だが、すでにトップサックス奏者として高い人気と評価のある人で、生で聞けるのを楽しみにしていた一人。
サックスと言えば、ケニー・ Gやデイヴ・コズのようにメロウでムーディなタイプも人気だが、この人はだいぶ違う。ものすごいテクニシャンでブイブイ吹くことは吹くのだが、どこかクールさを感じさせる。あ、でも無機質というのではないです。ベースのペンマン、ドラムのハッチンソン共々、すごくクレヴァーな印象なんだな。熱くなっても流されない、とでも言おうか。ちょっと聴く人を選びそうな音楽。それはそれは上手くて舌を巻くほどだけど、私自身は好きかと聞かれるといまいち、と言う感想です。

1. Mack The Knife
2. Ghost
3. Identify Thief
4. Soul Dance
5. Insomnamaniac

第二部
KAZUMI WATANABE TOCHIKA2010
featuring TOCHIKA ALL STARS
(Warren Bernhardt,Omar Hakim,Mike Mainieri and Marcus Miller)
今年の東京JAZZ最大の呼び物がこの渡辺香津美のTOCHIKA再現。メンバーを見ただけで興奮しない人はいないでしょ。オマー・ハキムもマーカス・ミラーも自分がバンドを率いてこのステージに立っても不思議じゃない。て言うか、マーカスは実際前にやってたよね。

香津美さんは今年デビュー40周年、そして名盤"TOCHIKA”30周年を記念してのこの再集合。
"ギター小僧"という言葉があるけど、香津美さんくらい似合う人もいないよなあ。ほんとにギターを弾いてるのが楽しくてしょうがない、と言うお顔なんだもん。いつでもそうだけど、この日はほんとに、うれしくて楽しくて、弾いてるご自分がいちばん感動してるんじゃないの、と言うような感無量な表情が見られた。
だってこれだけのメンバーと丁々発止の真剣勝負、でもみんな余裕綽々。
ハキムのシャープなドラムも、マーカスのずんずん響くベースも、タッチの綺麗なバーンハートのピアノも、軽やかで暖かみのあるマイニエリのヴァイヴも、すべてが香津美さんのギターに寄り添うように、あるいは挑発するように、怒濤のアンサンブルを聴かせるもの凄さ。
そしてこのものすごいメンバーを従えて(というのはちょっと違うかな?)、最高に熱いギターを聴かせた香津美さんのカッコイイことと言ったら!
聴いてる方もやってる方も、どんどん熱くなって興奮していくのに、それでもプレイは破綻を見せないプロ中のプロたちの技の冴え。
いや、ほんっとにすごいものを聴かせてもらいました。
香津美さん、格好良すぎ~!!もう、またまた惚れ直しました!
このライヴ、CDかDVDで発売してくれないかな~。一回だけなんてもったいなさ過ぎる。
マズイ。この勢いで、40周年記念BOXセットとか買ってしまいそうだ。

1. Liquid Fingers / Cokumo Island
2. Impressions
3. Half Blood
4. To Chi Ka / Sayonara
5. Ensyu Tsubame Gaeshi
6. Unicorn
7. encore. Manhattan Flu Dance


渡辺香津美アーリー・イヤーズ・ボックス(DVD付)

渡辺香津美アーリー・イヤーズ・ボックス(DVD付)

  • アーティスト: 渡辺香津美,ジミー・ホップス,渡辺香津美withオーケストラ,KAZUMI BAND,マイク・マイニエリ,石田長生,デヴィッド・リーブマン,ウォーレン・バーンハート,ラリー・コリエル,井野信義
  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2010/09/01
  • メディア: CD



TO CHI KA

TO CHI KA

  • アーティスト: 渡辺香津美
  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2001/07/20
  • メディア: CD



第三部
Jazz Crusaders featuring
Joe Sample, Wayne Henderson, special guest Gerald Albright
大興奮の第二部の後にオオトリを務めたのは、大ベテラングループ、ジャズ・クルセイダーズ。当初来日予定だったオリジナル・メンバーのサックス奏者ウィルトン・フェルダーが病気のため来られなくなり、オルブライトが代役に入った。

前日の二人の70歳にもびっくりだったが、こちらも負けていない。トロンボーンのヘンダーソンは足こそおぼつかなくて歩くときは人に支えられて、演奏は座って行っていたが、プレイは達者そのもの。MCもほとんど彼がやっていて、ユーモアたっぷり。ステージ衣装も他のメンバーは普通に黒いシャツなのに、ヘンダーソンだけは白黒のストライプのジャケットとおそろいの帽子、それも光る素材で目立つ目立つ(笑)。彼がいなければ、このグループ、ウェストコースト・ジャズと言ってもおかしくない雰囲気なのに、ヘンダーソン一人まるでニューオーリンズのジャズバンド風、それでいてグループとして別に浮かない、と言うなんだかとっても不思議な雰囲気だった。

音楽的なリーダーはピアノのジョー・サンプル。クルセイダーズ以外にもいろんなシーンで活躍している人らしく、ぐいぐいバンドを引っ張っていくと言うより、周りがどんなプレイをしても手綱を締めてるって感じかな。めちゃくちゃ上手い上にキャッチーでメロディアスなピアノ。

ゲストのオルブライトにベース、ドラムも名手を集め、ベテラン健在を強く印象づけ、このフェス最後を締めくくるにふさわしい熱演を聴かせてくれた。前日と言い、この日と言い、年寄り呼ばわりなんて許さない!とばかりのベテラン・パワー炸裂のステージ。いやはや、脱帽です。

1. On Broadway
2. Sunset in the Mountains
3. The Thing
4. Scratch
5. Snowflake
6. Street Life
7. Weather Beat
8. Way Back Home
9. encore. New Time Shuffle

例年だと、最後はたくさんの出演アーティストが登場してのジャム・セッションがあって、今年はどんな組み合わせが聴けるかと楽しみにしていたが、今回はなく、ジャズ・クルセイダーズのステージで終わりとなった。マーカス・ミラーとジョシュア・レッドマンなんて、聴きたかったな~。

熱い、暑い今年の東京JAZZも無事に終了。出演者はもちろん、スタッフの方もお疲れ様でした。今年も素晴らしい演奏を聴かせてくれてありがとう。来年は誰が出るのかな~。今から楽しみです。
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yk2

久々にお邪魔したらばTokyo-Jazz!のお話。2日連続だなんて羨ましいですねぇ。僕は毎年専らNHKで観るだけです。5日のテリ・リンのバンドは好きなアーティストがバックに多かったので心揺れましたが、フォーラムAはどうも好い思い出がなくて苦手です(苦笑)。

クルセイダーズはウィルトン・フェルダーが病気(年齢もそこそこですから心配ですね)で代役ジェラルド・オルブライトですか。ベースとアルトが両方OKだなんてミュージシャンもそうはいませんから、配置的にはまさにピッタリだったんでしょうけど、よく彼程のビッグ・ネームが急遽当てはめられたものですねぇ。クルセイダースのファンには怒られちゃうかもしれないけど、ちょっと観てみたかったな、サンプルとアルブライトが一緒のステージ。

>ヘンダーソン一人まるでニューオーリンズのジャズバンド風

ふふふ、雰囲気、判る気がします(笑)。
でも、以前にジョー・サンプルをソロ・アクトで2度程観た事があるんですが、洗練されているイメージの彼でさえ、根っこはやっぱり色濃くニューオリンズなんだなぁ~と思いましたよ。

しかしまぁ、TOCHIKAの頃の香津美さんだなんて、それこそギターをやってる男性ファンばかりが熱狂していた様なイメージがありますが、mamiさんはマーカスだオマー・ハキムだと喜んでいらして、かなり“お珍しい”方ですこと(笑)。
by yk2 (2010-09-11 01:42) 

そらへい

こんばんは
niceありがとうございました。
東京JAZZ、いらっしゃってたんですか。
あの興奮を体験されて羨ましい限りです。
私の記事より的確で詳細なレポートでした。
内容もほとんど同感で、嬉しくなりました。

by そらへい (2010-09-11 21:37) 

mami

yk2さん、こんばんは。
あそこのホールは、2階席だとましな音だと思いますよ。1階は音楽を聴くのはバランスが悪くて無理だと思っていつも2階にしています。今度お試しあれ。

さすがyk2さん、お詳しいですね。
オルブライトってそんなビッグネームだったんですか?私、初めてだったもんで(恥)、上手いな~と思いながら聴いていました。
ジョー・サンプルにニュー・オリンズの雰囲気というのはよく分かりませんでしたねえ。でもあのヘンダーソンと一緒にやってて違和感ないんだからやっぱり隠し持っているものがあるんでしょうか。

"お珍しい"なんてまるで変人みたいに言わないで下さいよ~。だってマーカスもオマーもカッコイイじゃないですか。
私には香津美さんはアコギの人ですが(この方が珍しい?)、こんなライヴを聴いちゃうとやっぱりエレキの人なんだな、と再認識でした(遅い)。
by mami (2010-09-12 00:12) 

mami

そらへいさん、はじめまして。こちらこそnice!ありがとうございます。
生で会場で聴くのはやはり醍醐味があって良いですが、家でのんびりラジオで聴くのも良いもんですよね。
10月にはBS-hiとBS2でも放送があるそうなので楽しみにしています。
またお立ち寄り下さいませ。
by mami (2010-09-12 00:17) 

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