通し狂言金門五山桐 [舞台]
3月21日 国立劇場
前夜からすごい強風で、夜中に風の音で目が覚めたくらい。まるで台風みたいでびっくり。風の音に混じって、ご近所から植木鉢か何かがひっくり返って割れるような音も時々聞こえてきて(苦笑)、あまりよく眠れなかったなあ。
朝になって少しはましになっていたけど、電車が遅れたりしていて、連休なのにお出かけの人には大変だっただろうな。
通し狂言金門五山桐(きんもんごさんのきり)
-石川五右衛門-
中村橋之助つづら抜け宙乗り相勤め申し候
序 幕 柳町揚屋の場
二幕目 第一場 大炊之助館の場
第二場 同 奥庭亭座敷の場
三幕目 南禅寺山門の場
四幕目 第一場 大仏餅屋の場
第二場 抜け道の場
大 詰 第一場 桃山御殿の場
第二場 同 時雨の間の場
第三場 同 奥庭の場
(出演)
中村扇雀
中村橋之助
市川高麗蔵
坂東亀三郎
中村種太郎
中村国生
市村竹松
坂東亀寿
片岡亀蔵
市村萬次郎
坂東彦三郎 ほか
今月歌舞伎座でやっているのは「楼門五山桐」、こちらは「金門」だが、「南禅寺山門の場」はほとんど同じ。なぜ違うのかは良く解らないが。
この「金門五山桐」は五右衛門ものでは最初の歌舞伎作品だそうで、「山門の場」「つづら抜け」は後の作品にも踏襲されている。今回は原作を大幅にカット再構成して、五右衛門と父親が、久吉を敵と狙う話に絞ってある。
橋之助が五右衛門と父親を早変わりで勤めている。また、五右衛門がなりすました僧だの中納言だのもやるので結構めまぐるしい。橋之助以外の役者も二役三役やったり、実は誰それ、と言うのが多いので、プログラムを読んでないとわけが解らないかも。
橋之助はおそらく念願の役なのだろう、一生懸命、また楽しそうにやっている様子。だがあまり線の太い人ではないので、大悪党の図太さとか、掴み所のないスケールの大きさとかにはいま一歩足りない気がしてもどかしい。もちろん吉右衛門に比べるのは気の毒としても、橋之助はどうも、悪役をやっても素の「善い人」っぽさが抜けない気がしてしまう。つづら抜けなんかは気持ちよさそうにサービスたっぷりでやっていたけれど。
扇雀は久吉、久吉の妻薗生の方、五右衛門の妻おりつとこちらも三役。どれもそつなく勤めていて、特に久吉で二枚目の立ち役をやって橋之助に対して見劣りしなかったのは立派。
まわりでは、萬次郎の悪婆(これも実は‥‥‥だが)が上手い。
亀蔵が善悪二役をきっちり演じ分け。
高麗蔵が品のあるところを見せてさすがに上等。
種太郎、亀三郎がきびきびとした様子で頼もしい。
橋之助の息子、国生と宣生も出演。国生が一場面もらって立ち回りを見せていたが、踊りをしっかりやっているのだろう、なかなか良い動きを見せていた。
全体的に、決して面白くないと言うことはないのだが、いまいち密度が低いというか、大歌舞伎を観た後のような満腹感には遠い感じなのは、国立劇場の復活狂言ではよくあることなのだが、なんでかなあ。
それにしても、このところ国立は宙乗り続き。昨秋の染五郎、正月の菊五郎に続いての今月で、それぞれ趣向を凝らしてはいるが、あまり続くと飽きて来るんじゃないかな。
前夜からすごい強風で、夜中に風の音で目が覚めたくらい。まるで台風みたいでびっくり。風の音に混じって、ご近所から植木鉢か何かがひっくり返って割れるような音も時々聞こえてきて(苦笑)、あまりよく眠れなかったなあ。
朝になって少しはましになっていたけど、電車が遅れたりしていて、連休なのにお出かけの人には大変だっただろうな。
通し狂言金門五山桐(きんもんごさんのきり)
-石川五右衛門-
中村橋之助つづら抜け宙乗り相勤め申し候
序 幕 柳町揚屋の場
二幕目 第一場 大炊之助館の場
第二場 同 奥庭亭座敷の場
三幕目 南禅寺山門の場
四幕目 第一場 大仏餅屋の場
第二場 抜け道の場
大 詰 第一場 桃山御殿の場
第二場 同 時雨の間の場
第三場 同 奥庭の場
(出演)
中村扇雀
中村橋之助
市川高麗蔵
坂東亀三郎
中村種太郎
中村国生
市村竹松
坂東亀寿
片岡亀蔵
市村萬次郎
坂東彦三郎 ほか
今月歌舞伎座でやっているのは「楼門五山桐」、こちらは「金門」だが、「南禅寺山門の場」はほとんど同じ。なぜ違うのかは良く解らないが。
この「金門五山桐」は五右衛門ものでは最初の歌舞伎作品だそうで、「山門の場」「つづら抜け」は後の作品にも踏襲されている。今回は原作を大幅にカット再構成して、五右衛門と父親が、久吉を敵と狙う話に絞ってある。
橋之助が五右衛門と父親を早変わりで勤めている。また、五右衛門がなりすました僧だの中納言だのもやるので結構めまぐるしい。橋之助以外の役者も二役三役やったり、実は誰それ、と言うのが多いので、プログラムを読んでないとわけが解らないかも。
橋之助はおそらく念願の役なのだろう、一生懸命、また楽しそうにやっている様子。だがあまり線の太い人ではないので、大悪党の図太さとか、掴み所のないスケールの大きさとかにはいま一歩足りない気がしてもどかしい。もちろん吉右衛門に比べるのは気の毒としても、橋之助はどうも、悪役をやっても素の「善い人」っぽさが抜けない気がしてしまう。つづら抜けなんかは気持ちよさそうにサービスたっぷりでやっていたけれど。
扇雀は久吉、久吉の妻薗生の方、五右衛門の妻おりつとこちらも三役。どれもそつなく勤めていて、特に久吉で二枚目の立ち役をやって橋之助に対して見劣りしなかったのは立派。
まわりでは、萬次郎の悪婆(これも実は‥‥‥だが)が上手い。
亀蔵が善悪二役をきっちり演じ分け。
高麗蔵が品のあるところを見せてさすがに上等。
種太郎、亀三郎がきびきびとした様子で頼もしい。
橋之助の息子、国生と宣生も出演。国生が一場面もらって立ち回りを見せていたが、踊りをしっかりやっているのだろう、なかなか良い動きを見せていた。
全体的に、決して面白くないと言うことはないのだが、いまいち密度が低いというか、大歌舞伎を観た後のような満腹感には遠い感じなのは、国立劇場の復活狂言ではよくあることなのだが、なんでかなあ。
それにしても、このところ国立は宙乗り続き。昨秋の染五郎、正月の菊五郎に続いての今月で、それぞれ趣向を凝らしてはいるが、あまり続くと飽きて来るんじゃないかな。
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