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皇室の名宝展第二期 [美術]

11月13日 東京国立博物館
http://www.bihana.jp/

チラシ.JPG

今月の休日はみんな予定が入っているので、8時まで開いている金曜に、仕事を抜け出して行った。
雨だし寒いし平日の夕方だし、きっと空いているだろうと思って出かけたけれどやっぱりそこそこ混んでいました。みんな考えることは同じですね(笑)。

第二期は、「正倉院宝物と書・絵巻の名品」の展示。
まず第一章は「古の美 考古遺物・法隆寺献納宝物・正倉院宝物」
始めは縄文時代や古墳時代などの遺跡から発掘されたもの。銅鏡や埴輪などが並ぶ。
法隆寺宝物では、教科書でおなじみのあの聖徳太子像や、太子直筆の法華経も。
光明皇后の手跡もあって、こういうのを見ると、いきなり1300年くらい昔の、歴史上の人が、リアルな実体をもって浮かび上がってくる気がする。この紙に聖徳太子が筆を持って経を書いていたんだなあ、とその姿を思わず想像してしまうと、なんだかわくわくドキドキする。

正倉院宝物には唐など外国から伝わったものや影響を受けたものなど、当時の技術の高さをうかがわせるものがあって、溜息が出るほどきれい。

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螺鈿紫檀阮咸(らでんしたんのげんかん)
楽器ですが、実際に演奏したのかどうか。したとすればどんな音がしたんでしょうね。この写真は裏側。螺鈿と琥珀がそれは見事。

4.JPG
紺夾纈あしぎぬの几褥(こんきょうけちあしぎぬのきじょく)
8世紀の染め物がこんなに色鮮やかに残っていることに驚かされる。ちょっと紅型に似た感じの優しい色合いが美しい。

第二章は「古筆と絵巻の競演」。
あの空海やあの小野道風、紀貫之や西行といった名筆の書がずらり。このあたりになると、書はもちろん料紙も美しい。

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小野道風「玉泉帖」
昔道徳の時間に習った蛙のエピソードで有名な小野道風。この書を見てちょっと意外な気がした。あのエピソードからは、几帳面できっちりした字を書きそうな気がしていたから。でもこれは、自由闊達、融通無碍、という雰囲気。楷書・行書・草書を自由に書き分けたものだそうで、その辺の名人などのレベルを突き抜けて、規則などに捕らわれずに気の向くまま筆を走らせた、というところだろうか。書道のことなんて全然わからないけど、なんだか凄いなあ。

第三章は「中世から近世の宮廷美 宸翰と京都御所のしつらえ」
宸翰(しんかん)とは、天皇自筆の日記や手紙などのこと。ここでは伏見天皇などの名筆を展示。
また御所に飾られていた屏風類もあり、宗達や狩野探幽らの作品が見応えあり。

第四章「皇室に伝わる名刀」
鎌倉時代から伝わる正宗や国長といった銘のある刀。
歌舞伎ではよく家宝の名刀を巡るお家騒動や因果話があるが、こういう名刀にはそういった人を狂わせる何かがあるのかも、と思ってしまう。

文中思わず「あの誰それ」を連発してしまいましたが、本当に「はあ、これがあの」と思うようなものばかり。縄文時代から江戸時代までの日本文化を俯瞰できる名品展。混んでいてもお見逃しなく。


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リュカ

mamiさんの記事を読んでいると、展覧会の様子が
ありありと思い出されます。
阮咸のことも書きたかったのですが、うまい表現が思い浮かびませんでした(笑)
ほんとうに、見応えのある品ばかりで目の保養になりました^^
by リュカ (2009-11-16 08:19) 

mami

リュカさん、こんばんは。

>mamiさんの記事を読んでいると、展覧会の様子がありありと思い出されます。

いえいえとんでもない。このお言葉、そっくりリュカさんにお返しいたします~m(_ _)m。

ほんとに見応えありましたねえ。書とか刀とか、全然見る目がないのになんだか引き込まれてしまいました。
改めて、日本の文化って凄い!と思いました。

by mami (2009-11-16 23:39) 

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