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「写楽 幻の肉筆画」展 [美術]

8月19日 江戸東京博物館
http://sharaku.exh.jp/

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夏休み最後の日、平日の午後を狙って美術館へ。さすがにお子さま連れは少ないが、思ったよりは混んでました。

この展覧会はギリシャ・コルフ島にある国立コルフ・アジア美術館所蔵の「マノス・コレクション」の里帰り展。マノスというのは明治時代に日本に駐在したギリシャ大使で、日本やアジアで多くの美術品を収集し、帰国後そのコレクションをギリシャ政府に寄贈したという。しかしその後これらの美術品はずっと死蔵されていて、最近になって本格的な調査が行われて、写楽の肉筆画という大発見につながったんだそうで。

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それがこの「四代目松本幸四郎の加古川本蔵と松本米三郎の小浪」。扇面図ですね。保存状態はとても良く、色も鮮やか。描かれた役者と演目から、写楽が版画の作成を止めた後の作品と見られ、写楽研究にも一石を投じるものだとか。ま、そう言う専門的なことはともかく、写楽と言えば大首絵、と言う印象を覆す、繊細なタッチが目を引く一品。

もちろん、写楽以外にも大きな発見がいくつもあって、これまで存在が知られていなかった作品や、組物で初めて全作揃ったのが見つかったものとか、興味深いものもいろいろ。とにかくどれも保存状態がよいので、発色が素晴らしいのが嬉しい。

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喜多川歌麿「風流六玉川」のうちの3枚
これなどその代表的なもので、6枚綴りで状態の良いものが発見されたのは世界初だとか。歌麿らしい華麗な美人画で、一人一人異なる着物の柄も美しく、まるで今刷りあがったばかりのような色の鮮やかさも特筆すべき作品。

浮世絵は初期から後期まで良く網羅された内容で、主立った浮世絵画家の作品はほとんどあって見応え十分。 後期の代表としてはやはり北斎の作品が多く並び、「冨嶽三十六景」や「百物語」のいくつかもあったが、お気に入りはこれ。

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北斎「四姓ノ内 源 小烏丸の一腰」
デフォルメされた烏の表情が何ともユーモラス、かつ迫力。背景の樹(梅?)の繊細な描写との対比が効いて、今見ても何とも斬新なデザイン。烏の黒が効いている。やっぱり北斎は頭抜けて面白いわ。

浮世絵以外に、数は少ないが狩野派の屏風絵などもあり、なかなか充実した内容。9月6日までなのでお見逃しなく。 

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リュカ

北斎の烏、ほんとに素敵な作品ですね。
こういうデザイン好きだわ~~♪

by リュカ (2009-08-22 17:30) 

mami

リュカさん、こんばんは。nice!&コメントありがとうございます。
北斎の烏、良いですよね!今見てもなんだか格好いい!と思います。
ぜひ展覧会もご覧になって下さい。
by mami (2009-08-23 00:12) 

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