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三井寺展 [美術]

3月2日 サントリー美術館
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/09vol01/index.html

三井寺と言えば晩鐘というのが有名な気がするが、実際にはまだ行ったことがない。今回初めて、天台密教のお寺だと知ったくらいの無知。
この展覧会は三井寺のいわば中興の祖、智証大師円珍が唐から帰朝して昨2008年で1150年になるのを記念してのもので、普段は見ることのできない秘仏もたくさん展示されているありがたい機会。

初めのコーナーでは、その智証大師の像が何体も並ぶ。いくら中興の祖とはいえ、お寺に仏像ならぬ一人の僧の像がこんなに何種類もあるのは珍しいのではないかしら。どうもこの方はいろいろ逸話の残るお坊様で、頭の形が縦長のとんがり頭で、唐にいるときに”霊骸”として利用しようと狙われるから気をつけなさい、と言われたとか。
また、智証大師が夢の中で見て、画工に描かせたという「不動明王像(黄不動尊)」や、その絵をもとに作られた像も数種展示されていて見比べるのも面白い。

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これがその黄不動尊。筋骨隆々というよりは、堅太り、と言った感じ(失礼)。

その他にも仏像はたくさん、平安時代から江戸時代に至るまでのものがあり、意外だったのは円空仏もあったこと。でも鎌倉仏と円空仏が並んでいると、レンブラントとピカソが並んでいるような、同じ仏様とはいえすごい違和感あり(笑)。

また、智証大師が唐から持ち帰った経典などの書や、曼陀羅図など密教関連の展示品も多くあったが、私には当然ながら理解不能(苦笑)。

展示後半は障壁画が中心で、狩野光信作のものや応挙のものも。光信は狩野永徳の息子でお父さんほど有名ではないが、近年見直されているとか。今回出品されているものも、金箔の中に木々や草花を描いた、父親譲りの桃山らしい伸びやかで華やかな絵。
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勧学院客殿障壁画 四季花木図(一之間) 狩野光信筆

先月見た「妙心寺」といい、昔のお寺って美術品の宝庫だったんですね。妙心寺に比べると、ちょっと地味な感じもするが、普通に三井寺に足を運んでも公開されていない秘仏も多いというし、この機会を逃す手はないと思います。三井寺にも行きたくなったけど、いま行ってもこれだけのものが外に出ているんでは、空っぽに近いってことですねえ。
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