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国立文楽劇場初春公演 第1部 [舞台]

1月4日
文楽劇場も3日が初日。この日も補助席が出る盛況ぶりなのは嬉しい。

bunraku20091.JPG
一・花競四季寿 万才・海女・関寺小町・鷺娘
後半の二つは観たことがあるが前の二つは初見。
「万才」は紋豊と文司でお正月ののどかでめでたい雰囲気は新春公演の幕開けにぴったり。
眼目は文雀の「海女」と「関寺小町」で、前者では海辺の夏の明るい陽射しの中若い海女の恋心をのびやかに見せ、また大きな蛸を相手にユーモラスに踊って楽しい。後者では一転して老女となった小野小町の侘びしい心境をしみじみとみせて観る者の心もシンとなるよう。
「鷺娘」は清十郎で、同名の歌舞伎舞踊のような激しさはないが、雪景色の中鷺の化身である娘の姿が楚々として美しい。
義太夫は呂勢・咲甫らが若々しい美声を聞かせるが、「関寺小町」などはもう少ししみじみした味わいが欲しいところ。
三味線は清治がさすがに華麗な響きで宗助・寛太郎らを引っ張っていた。

二・増補忠臣蔵 本蔵下屋敷の段
「忠臣蔵外伝」の一つで、松の廊下で塩谷判官を抱き止めた加古川本蔵が、由良之助の山科へ出立するいきさつを描くもの。久しぶりに観た気がする。
本蔵は玉女で、あまり大きな動きのある役ではないが、腹の据わった実直な武士の風情を見せた。
主人若狭之助は紋寿で、短慮と見せて本蔵の本心を見抜いた殿様の風格も見せて立派。
前は千歳と清介。敵役判左右衛門の企みをユーモラスに、また本蔵の苦悩、若狭之助の怒りなどきっちり。
後は津駒と寛治で、若狭之助の真情をしみじみと。ツレ弾きの琴は寛太郎。あ、祖父と孫の競演ですね。

三・曲輪文章 吉田屋の段
前日歌舞伎でも観たばかりの演目。歌舞伎では「廓」。
まず歌舞伎と違うのは冒頭夕霧が吉田屋にやってくるところを文楽では見せる。ここで面白いのは例の八の字に歩くのを見せるために普通は女の人形にはついていない足がここの夕霧にはついていたこと。
夕霧は和生で、傾城の気品と色気があって美しく、また伊左衛門相手の一途な心などを見せてさすがに上等。
伊左衛門の勘十郎も、柔らかみのある若旦那の風情が良く出て魅せた。
切の嶋大夫がさすがに上手く、夕霧の伊左衛門へのクドキをいじらしく聞かせてそれはそれは可愛らしかった。
タグ:文楽
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