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12月文楽公演 [舞台]

12月15日 国立劇場小劇場

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2日続けての文楽。本当は同じ日に観てしまいたかったのに、行ける日はどちらかが売り切れていて別々にしかチケットが取れなかった。中堅若手の公演でも、東京では文楽の切符を取るのはなかなか大変である。

源平布引滝
 義賢館の段 三輪・宗助、呂勢・清友
 矢橋の段 芳穂・寛太郎
 竹生島遊覧の段 津国・南都・呂茂・靖・文字栄・清志郎
 九郎助内の段 睦・清馗、文字久・錦糸、千歳・富助、咲甫・燕三
勘十郎の義賢、清十郎の葵御前、玉英の待宵姫、玉也の九郎助、和生の小まん、文司の折平実は行綱、玉女の実盛、紋豊の九郎助女房、玉輝の瀬尾十郎

9月に海老蔵らが歌舞伎で上演したのとまったく同じ。もちろん歌舞伎は多少の入れ事があるので細部は違うが、同じ若手中心の公演でも水準は文楽が全然上のようだ。

義賢館の段では、勘十郎が非業の死を遂げる武将の悲愴感を出し、大きさもあってさすがに立派。歌舞伎では最後に襖を使った屋台崩しの大立ち回りがあるが文楽ではそれはなし。
三輪大夫が丁寧な語り。呂勢は声は良く出て気迫はこもるがいささか力が入り過ぎか。

矢橋~竹生島では和生の小まんが一所懸命な様子に哀れさもあって魅せた。南都大夫も悲痛さが出てなかなか。

だがやはり義太夫人形とも充実していたのは九郎助内の段で、まず玉女の実盛に智情勇に優れた武士の懐の深さが見えて、ニンにあって上等。
清十郎の葵御前は義賢館の段と共に、気品があり情もある様子で綺麗。
玉也の九郎助も手に入った老爺の様子が良く出て、娘を亡くした嘆きを見せた。
義太夫陣もみなしっかりした出来映えで、文字久と錦糸が白旗を持った腕を前にした一家の者の不安と、実盛と瀬尾の緊迫した詮議をしっかり語ってなかなかの出来。
千歳と富助も期待に違わず、実盛の物語を鮮やかに語って情景が目に見えるような明瞭さがあり、一方小まんを殺されたと知った九郎助や太郎吉の嘆きもしっとりと聞かせてさすがに上手い。
後の咲甫と燕三も、瀬尾の壮絶な死から段切れの微笑ましい実盛と太郎助の別れまでを一気呵成に語り、特に燕三の派手な音色が終幕を華やかに彩って盛り上げて立派。

中堅若手主体の公演とは言っても、人間国宝やその同年代の方達以外は出ているので(中には、まだこの人達が出てるの?と思うような方も)、花形歌舞伎などよりはよっぽど安心して観ていられた。特に今回は大夫陣がよく頑張っていて、先が明るくなったような気がした。

タグ:文楽
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