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東京JAZZ2008 二日目夜の部 [音楽]

8月30日 東京国際フォーラム・ホールA

毎年この時期恒例となった東京JAZZ。去年はスケジュールが合わなくて行けなかったので2年ぶりに参加。
今年は、ほんとなら全部のステージを聴きたいくらいの豪華ゲストだったが、昼は仕事だし、お財布の事情もあるし、悩んだ末、ミシェル・カミロ目当てで"Dramatic Night”と銘打ったこのステージに決定。
何度行ってもこのホールの巨大さにはびっくりしてしまうのだが、それがこの日はほぼ満員の盛況。

1・上原ひろみ~HIROMI’S SONICBLOOM
デビューしてまだ5年くらい?あっという間に超人気プレイヤーになった上原ひろみ。前回の東京JAZZでも聴いていて、これが3度目のライブ。(1回目は、確かオスカー・ピーターソンの前座だった)
この人の演奏を見ていると、ピアノを弾くのってスポーツだな、と思ってしまうくらい運動量が多い。指も腕もとにかく良く動くのは当然として、身体全体を使って、時には立ち上がったり跳んだりはねたり、とにかく元気いっぱい。もちろん聞こえてくる音楽もそれに相応してひたすらパワフルで活きが良い。ファンにはそれがたまらない魅力なんだろう。

でもとにかく全部そんな調子なので、私は聴いていてちょっと疲れてしまう。
曲も、ドビュッシーの「月の光」や「上を向いて歩こう」をモチーフに使っても、それは冒頭の一瞬で後はすぐ同じような調子に展開していって変わり映えがしない感じ。
ものすごく巧いし凄いとは思うけど、どうも好きになれない。メンバーがエレキギターとエレキベースにドラム、という構成のせいもあって、なんだかジャズと言うよりガンガン来るロックっぽいんだな。(そう言えば、ロック・ギタリストとは言うが、ロック・ピアニストとは言わないのはなぜだろう)フュージョン、とも違うし。ま、趣味の問題なので、仕方ないです。ファンの方、ごめんなさい。

上原ひろみ(p, key)、トニー・グレイ(b)、マーティン・ヴァリホラ(ds)、デヴィッド・フュージンスキー(g)

1. SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE
2. CLAIR DE LUNE
3. UEWO MUITE ARUKO
4. I’VE GOT RHYTHM
5. CARAVAN
6. encore TIME OUT


2・Richard Galliano & the Tangaria Quartet with 寺井尚子
フランス生まれのアコーディオン奏者リシャール・ガリアーノ。実を言うと、これまで全然名前も知らなかった。でもあのピアソラと親交を結んでいたというのならハズレはないだろう、くらいに思っていたがこれが大正解!1曲目からぐいぐい引き込まれてしまった。
ラテン(と言っても南アメリカじゃなくて、南仏やスペインのイメージ)の空気が漂うような独特の哀愁を帯びたメロディーと激しいリズムを、超絶技巧で聴かせるその実力はやっぱりただ者じゃない!時にはジプシー音楽のような民族音楽みたいな響きだったり、またタンゴの軽やかで美しいメロディーだったり。1曲だけバンド無しのソロで弾いた曲では、(なにしろMCがフランス語なので全然わからないのだが、バッハとピアソラというのだけは聞き取れたのでピアソラがバッハにインスパイアされて作った曲なのかな、と思ったが)、まるでパイプオルガンのような壮麗な響きさえ聴かせて、アコーディオンの音の多彩さには唖然とした。

スペシャル・ゲストのバイオリニスト寺井尚子は、おそらく急遽参加が決まったんだと思うが(楽譜見てたし)、そうは感じさせない見事なテクニックとノリでこの超絶技巧のバンドにしっかり溶け込んでいたのは感心した。やっぱり顔だけじゃなくて実力もある人なのね。
パーカッションの人も巧かった。マラカスみたいに手に持って振る楽器や、手で叩く太鼓みたいなの(名前が出てこない!)などで多彩な音色を出して盛り上げていた。

リシャール・ガリアーノ(accor)、ジャン・フィリップ・ヴィレ(b)、ラファエル・メイハス(per)、寺井尚子(vln)

1. Tango pour Claude
2. Fou Rire
3. Chat Pître
4. Tangaria
5. Spleen
6. Sertão
7. Aria - Libertango (solo)
8. La Valse à Margaux (Duo)
9. N.Y. Tango
10. encore La Foule. Waltz for Nicky


Tangaria Quartet

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  • 発売日: 2007/09/11
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3・Michel Camilo Trio
ドミニカ出身のピアニスト、ミッシェル・カミロを初めて知ったのは、フラメンコ・ギタリスト・トマティートとの「スペイン」というアルバムで。上原ひろみもすごいけど、この人も超絶技巧では負けてない、と言うかこっちが上!?と言うテクニシャン。この日も、早いパッセージでは文字通り目にも留まらないような手指の動きを見せて、唖然呆然。でもテクニックだけじゃなくて音色も綺麗だし、バラードではそれは美しい叙情的な雰囲気も聴かせてくれた。この音楽的な幅の広さが上原にはないんだなあ、とカミロを聴きながら改めて思った。去年出た最新アルバム「Spirit of the Moment」の曲を中心に時に古い曲も取り上げながら、聴衆を引き込むステージの構成力はさすが。アンコール曲ではラテン音楽の名曲(あ~、でもタイトルがわかんない)で、聴衆から合いの手「テキーラ!」の声を引き出してご満悦。実に楽しげにステージを締めくくった。

ミシェル・カミロ(p)、チャールズ・フローレス(b)、ダフニス・プリエト(ds)

1. SEE YOU LATER
2. MY SECRET PLACE
3. REPERCUSSIONS
4. SPIRIT OF THE MOMENT
5. TWILIGHT GLOW
6. GIANT STEPS
7. FROM WITHIN
8. encore TEQUILA



Spain

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  • 発売日: 2000/06/13
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Spirit of the Moment

Spirit of the Moment

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  • 出版社/メーカー: Telarc
  • 発売日: 2007/04/24
  • メディア: CD



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