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「対決 巨匠たちの日本美術」展 [美術]

東京国立博物館
http://www.asahi.com/kokka/
IMGa.JPG
日本美術史に燦然と輝く巨匠24人を、師弟関係、ライバル、など同時代に生きたかどうかは問わず、並べて比較して、それによってそれぞれの特性を際立たせる面白い試み。
取り上げられているのは、古くは運慶VS快慶、雪舟VS雪村から、宗達VS光琳、円空VS木喰、さらに歌麿VS写楽を経て新しいところでは鉄斎VS大観までの12組24人。
それぞれの代表作と言っても良い作品が並ぶ、非常に見応えのある展覧会。
もちろん、どの組み合わせも、どちらに軍配を挙げられるようなものではないが、素人目に観ながら、これは相手を意識してるな、とか、影響を受けているのかな、とか思いながら見るのも一興。

中でも特に印象的だったのは、永徳VS等伯のコーナー。都の画壇のエリートとして幼少から英才教育を受け、時代の寵児となった永徳に対し、地方出身で苦労の末栄光を手にした等伯。今回取り上げられた中でも、文字通りライバルとして画壇の覇を争った二人の、しかし対照的な作風を観ると、桃山美術の懐の深さも感じてしまう。

作品の華麗さに心惹かれるのは宗達と光琳。今見てもモダンとも思える宗達の大胆な構図を、さらに発展洗練させた光琳の美。
今回出品で話題の、二人の「風神雷神」が並ぶのは会期末の1週間だけということで、観られなかったのはとても残念。確か別々の機会には観たことがあるのだが。
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これは宗達の下絵に本阿弥光悦が字を書いた「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」
光悦と宗達のコラボなんて、考えただけでわくわくしてしまう。

楽しいのは応挙VS芦雪。二人の「虎図」がとても生き生きとしていて、だけど顔がそれはユーモラスで可愛い!
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芦雪の「虎図襖」の顔の部分。ど迫力だけど何とも言えない愛嬌がある。

最後の大観では、今年1月の「大観展」で見損なった「雲中富士図屏風」が観られたのは嬉しかった。

展示替えの作品が結構あり、1回では観られないものも多かったのは残念。

<訂正>
1月の大観展に出品されていたのは「群青富士」でした。よく似ているけど今回展示の「雲中富士」とは別作品でした。よく確かめずに失礼いたしました。
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