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国立劇場5月文楽公演・第一部 [舞台]

5月11日
前日から5月とは思えない寒さ。GWも過ぎてから3月並みって一体どうなってるんだか。
日曜日、東京の文楽は相変わらず盛況で今日も満員御礼。あぜくら会会員の発売日を失念していたせいで席は右端から3つ目で、舞台右端は少し見えない悪席で残念。一つ隣は3等なのにここは1等って、なんだかな~。

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一・鎌倉三代記
 入墨の段 口:始・団吾、奥:千歳・富助
 局使者の段 三輪・喜一朗
 米洗いの段 英・団七
 三浦之助母別れの段 千歳(綱代役)・清二郎
 高綱物語の段 咲・燕三

玉女の佐々木高綱(安達藤三郎)、和生の時姫、勘十郎の三浦之助

少し配役は違うが昨年8月に国立文楽劇場の公演でも観た演目。12月に歌舞伎でも観ているが、やはり文楽の方が入墨の段からと言うこともあって丁寧な上演で理解しやすい。歌舞伎はちょっと話を端折りすぎだろう。

人形ではやはり玉女の高綱がスケール大きく、メリハリの効いた動きを見せて堂々たる出来。初めの百姓藤三郎と高綱と顕わしてからの差もしっかり見せて立派。この人はやっぱり近松の町人などよりこういう役の方が良い。
和生もすっかり赤姫が身に付いたようで、気品と美しさがあり、三浦之助を慕ういじらしさ、健気さもあって上等。
勘十郎もさすがに凛々しい若武者ぶりで悲痛を見せる。

義太夫では、入墨の段の始大夫にはもう少し登場人物の描き分けがほしいところ。千歳大夫になるとそこがさすがに違い、時政の威厳、藤三の滑稽さ、篝火の苦悩などがしっかり出て立派。千歳大夫は綱大夫の代役で三浦之助母別れの段も勤めていたが、穴を感じさせない立派な出来。今が働き盛りの時なのだろう。
高綱物語の咲大夫と燕三もさすがに大きさがあった。こういう緊迫感のある場面はこの二人はとてもお似合い。
今の文楽を引っ張る人たちの充実した演技で見応えある舞台を堪能できた。

ただ、綱大夫の休演が心配。2月もちょっとお元気がなさそうに見えた。4月公演も終盤からお休みだったようだが、早く復帰されることを祈りたい。

二・増補大江山 戻り橋の段
 津駒・松香・津国・南都、寛治・喜一朗・龍爾・寛太郎・清公
 玉也の渡辺綱、清之助の若菜実は鬼女
源頼光の家来渡辺綱の鬼退治に題を取った作品で、私は初見。
美女の若菜の頭がガブで鬼女の顔に変わるのが面白く、また最後に鬼女と顕わした後は歌舞伎の毛振りのような振りを見せるのもユニークで楽しい。秋に襲名が決まった清之助が、最初は楚々とした美女の風情をしおらしく見せ、鬼となってからは激しい動き。毛振りがちょっと上手く回らなかったりもしたが、まだ初日間もないことでもあり頑張っていただきたい。なにしろ9月の襲名公演は「十種香」「奥庭」である。
玉也の綱に大きさがあり、鬼女との立ち回りも面白く見せた。

三味線では寛治がさすがに充実した響きを聞かせて立派。
プログラムの寛太郎と清公のところに「八雲」とあって、なんのことだろうと思っていたら、途中で三味線を持ち替えて琴のようなものを弾いていた。家に帰ってから調べたら、八雲とは二弦琴の一種らしい。三味線弾きの人って琴やら胡弓やら色んな楽器をやれないといけないのねえ。寛太郎なんてまだ若い(というかまだ未成年だろう)のに立派なもんだ。感心。

タグ:文楽
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