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ギメ東洋美術館展@大阪 [美術]

http://ukiyoe.exh.jp/
2月に東京の太田記念美術館で観た展覧会が、大阪天王寺の大阪市立美術館に巡回中。
太田美術館では展示替えが多く、一度では半分も観られなかったので、帰省中を利用して再度観ることにした。
連休中とあってさすがに人は多かった。天王寺公園ゲートで「入館は20分待ち」のアナウンスを聞いて覚悟して入ったが、実際は10分位だったろうか。ただ入ってからも混雑していて、あまりゆっくり観るのは難しかったのは仕方ない。夕方行ったので、閉館時間を気にしながらの観覧になってしまったのもきつかったかな。

出品内容はやはりとても充実していて、再見となった北斎の「虎図」「龍図」はもちろんのこと、東京では数が少なかった写楽の役者絵も10点くらいあったろうか。春信の美人画、歌麿の役者絵、広重の風景画、人気力士を描いた相撲絵も何点もあり、満足満足。


中でも今回観たかったのは、この北斎の「千絵の海 総州銚子」。
大浪に翻弄される舟が大胆な筆致で描かれて圧巻。こういう自然をデフォルメした構図はいかにも北斎らしい。チラシで見て大作を想像していたら、実物は意外に小振り(20cmX30cmちょっとくらい)でちょっと意表を突かれた感じ。この迫力ある図柄から、絵も大きなものだと思い込んでいたので。
北斎の作品では、ほかに正反対の印象の写実的な花鳥画も何点かあって、改めて画風の幅の広さを実感できた。

初期の浮世絵も数点あって、これを見ていると人物の顔が文楽の人形の顔によく似ていると思った。どちらが影響を与えているのだろう。同じ時代に発展してきたものだから、どこかでつながっていても不思議はない。


(左:二世瀬川富三郎の大岸蔵人妻やどり木、右:嵐龍蔵の金貸石部金吉)
写楽の浮世絵をこれだけまとめて見たのは実は初めてである。デフォルメされた役者の顔が、変に美化していない分実に人間臭く、今もどこかの舞台にいそうな感じ。モデルには不評だったかもしれないが、役者のファンならこういうのの方が楽しいと思う。

美人画は顔もそうだが、着物の描写も見て楽しい。特に吉原の花魁など遊女の着物には当時の粋を尽くした柄と着こなしが見られて興味津々。歌舞伎の衣装などもこういうのの影響を受けているんだろうなあ。

相撲絵は、化粧まわしをつけた姿絵だけでなく、取り組みの様子を描いたものもあり、今の野球カードみたいなものかしら。でも子供には買えなかっただろうから、やはり大人向け。

浮世絵の初期から明治に入る頃までの流れが見通せる貴重な機会。
浮世絵はもちろん、江戸風俗に興味のある方は必見の展覧会です。


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