ルツェルン祝祭チェンバー・フェストⅡ [音楽]
10月15日 サントリー・ホール
サントリーホール20周年記念公演の一環で、ルツェルン・フェスティバル・イン・東京2006の一つ。
ルツェルン・フェスと言えば毎年夏にスイスのルツェルンで行われる、ザルツブルグ音楽祭と並んでクラシックファンには有名な音楽祭。それをオーケストラ公演も含めてそっくり日本に持ってくるというのだから、企画を聞いたときは、嘘だろ!?と思った。バブルの時代ならいざ知らず。
本日の公演は、オケに比べると地味な室内楽。でも出演者がすごいのでこちらもチケットは完売。
Ⅰ モーツァルト クラリネット五重奏曲イ長調K.581
ザビーネ・マイヤー(cl)
アントン・バラコフスキー(vn)
グレゴリー・アース(vn)
ディームート・ポッペン(va)
ヴァレンティン・エルベン(vc)
ザビーネ・マイヤーと言えば、今は昔、まだ女人禁制だったベルリン・フィルにカラヤンがごり押しで入団させようとしてゴタゴタが起きた事件は、クラシックファンなら誰でも知っている。まあそれもそれだけ彼女が上手かったからで、その後のソリストとしての活躍が見事にカラヤンの目の高さを証明していると言うことか。
そのマイヤーのクラリネットは甘く美しい音色と確かなテクニック、品のある歌い回しで、清潔感のある、モーツァルトのこの優雅な名曲にふさわしい。いい曲ですよねえ、これ。モーツァルトの室内楽ではいちばん好きかも。
弦楽器の面々も、自己主張控えめながらしっかりした演奏で、モーツァルトらしい典雅な響きを出していた。
アンコールはウェーバーの五重奏曲から。
Ⅱ ブラームス ピアノ五重奏曲ヘ短調op.34
マウリツィオ・ポリーニ(p)
コーリャ・ブラッハー(vn)
アントン・バラコフスキー(vn)
ヴォルフラム・クリスト(va)
マリオ・ブルネロ(vc)
今日のお目当てはこちらの方。
現在世界最高のピアニストの一人ポリーニと、好みのチェリスト・ブルネロの共演だもの、聴かないわけには行かない。
こちらはモーツァルトとはうって変わって、緊張感あふれる重厚な曲。室内楽にしては長めの曲ながら、集中を切らさず最後まで張りつめた演奏を聴かせたのはさすが。ポリーニもあまり出しゃばらず、あくまでアンサンブルの一員に徹していた感があり、結果的にわりと渋めの演奏になったように思う。それでも一部のモーツァルトに比べると、こちらは一人ひとりの演奏者がそれぞれ見せ場も作っており、ソリストとしての技量も堪能できた。なかでも1st vnのブラッハーの美音と、ブルネロのいつもながら豊潤な響きは耳を引きつけるものがあった。
アンコールは同曲から3楽章の一部。アンコール準備してなかったのかしら(笑)。できればシューマンとか聴きたかったなあ、なんて贅沢か。
チケットを買うときは、2曲だけで割高だなあ、なんて思ったけど、終わってみれば満足感いっぱい。
スイスまで行かなくても、こんな演奏会を聞けるなんて、やっぱり日本人は恵まれてると思う。
なお今日の演奏会はネスレ協賛ということで、休憩時間にはコーヒーのサービスがありました。
入り口でもらったチラシの束の中にブルネロの来年のリサイタルを発見。知らなかった~。これがあるからあのチラシももらわずにいられない。荷物になるんだけどねえ。
秋らしいスキンに変更されていますね。
ルツェルン・フェスティバル・イン・東京は行きたかったのですが
チケットのお値段に二の足を踏み日程が合わなかったのを理由にしましたが
mami さんの感想を読んでやはりちょっと後悔です。
あのチラシ、重いんですが私もいつもしっかりもらってきます^^
by Ren (2006-10-16 07:17)
Renさん、こんばんは。nice!&コメントありがとうございます。
確かにあのチケットの値段じゃ考えますよねえ。オケなんて3万円とかしてましたよね。昨日のはまだオケの公演よりは安かったけど。
それを思うと、3階席なら4千円くらいで4時間楽しめる歌舞伎って、お得かも!?
でも外来公演の場合、大抵チケット発売から公演日まで何ヶ月もあるので、公演日の頃には幸い懐の痛さを忘れてるんですよね。忘れてないと、1時間あたり1万円だ~、なんて思いながら聴くのもさもしくて嫌ですしね(笑)。
by mami (2006-10-16 23:42)