アルカント・カルテット演奏会 [音楽]
王子ホール
<第1夜 1/12>
モーツァルト:弦楽四重奏曲 第15番 ニ短調 K421
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第16番 ヘ長調 Op.135
********** 休憩 **********
ブラームス:弦楽四重奏曲 第3番 変ロ長調 Op.67
アンコール
ドビュッシー:弦楽四重奏曲 Op.10 より スケルツォ
<第2夜 1/13>
J.S.バッハ:フーガの技法 BWV1080より コントラプンクトゥス 1、4、6、9
クルターグ:6つの楽興の時
J.S.バッハ:フーガの技法 BWV1080より コントラプンクトゥス 11
********** 休憩 **********
シューベルト:弦楽四重奏曲 第15番 ト長調 D887
アンコール
ハイドン:弦楽四重奏曲 Op.64-2 より アダージョ
アンティエ・ヴァイトハース(ヴァイオリン)
ダニエル・セペック(ヴァイオリン)
タベア・ツィンマーマン(ヴィオラ)
ジャン=ギアン・ケラス(チェロ)
一年おきにソロとカルテットの演奏会に来日しているケラス。今年はアルカントでの演奏会で、前回同様二夜連続聞きに行った。
ますます進化しているカルテットの、まさに旬な演奏を聴ける喜び。
特に一日目はカルテットの王道とも言えるプログラムに真正面から挑んだ。
4人がそれぞれソリストというテクニック的には申し分ないメンバー。その4人が時に挑発し合い、時に肩を組み、時に睨み合い、時に談笑する。
その駆け引きの抜群の面白さ、楽しさ。
とかく、渋いとか地味とか思われがちな弦楽四重奏がこんなにスリリングで、エキサイティングなものだなんて!
また、ベートーヴェンやブラームスのカルテットも、交響曲とはまったく違う、親密で緊密な音楽。
特にベートーヴェン後期の名曲の、一見枯れた味わいの中にまだまだ熱い情熱が感じられる演奏に酔いしれた。
二日目の前半はバッハに現代のクルタークを挟む凝った構成。
クルタークはさすがに素人にはついて行けず、しばしば寝落ち。4人が超絶技巧を駆使してることだけはわかった(苦笑)。
シューベルトは実はちょっと苦手。でも室内楽は交響曲よりはずっと質がいい。「未完成」なんてどこが名曲なんだか。いやそれはさておき、この曲もカルテットとしては長大で、シューベルトにありがちな構成力の破綻(?)は感じさせながらも、歌曲を思わせる美しいフレーズがそこかしこに聞こえ、情熱と諦観が混じり合うような不思議な音楽で、また彼らの演奏もまだ若い分だけ力強くてエネルギッシュな面が前に出て、いつになく「元気なシューベルト」という印象。
面白かったなあ。こういうのもありだね。
カルテット結成から10年。この世界ではまだまだ若手だが、実力と注目度はピカ一のアルカント。次回は何を聞かせてくれるだろう、と今から楽しみになってくる。アルバンベルクやジュリアードなどのベテランカルテットも素晴らしいが、スタート時から聞き続けるというのも楽しみがある。
- アーティスト: ドビュッシー,デュティユー,ラヴェル,アンティエ・ヴァイトハース (ヴァイオリン),ダニエル・セペック (ヴァイオリン),タベア・ツィンマーマン (ヴィオラ),ジャン=ギアン・ケラス (チェロ)
- 出版社/メーカー: HARMONIA MUNDI,FRANCE
- 発売日: 2010/08/04
- メディア: CD
- アーティスト: バルトーク,アルカント・カルテット [アンティエ・ヴァイトハース、ダニエル・セペック(ヴァイオリン)、ダベア・ツィンマーマン(ヴィオラ)、ジャン=ギアン・ケラス(チェロ)],アンティエ・ヴァイトハース (ヴァイオリン),ダニエル・セペック (ヴァイオリン),ダベア・ツィンマーマン (ヴィオラ),ジャン=ギアン・ケラス (チェロ)
- 出版社/メーカー: Harmonia Mundi,France
- 発売日: 2009/09/15
- メディア: CD
ブラームス:弦楽四重奏曲第1番ハ短調 Op.51の1、ピアノ五重奏曲ヘ短調 Op.34 (輸入盤・日本語解説書付) [Import CD from France]
- アーティスト: ブラームス,アルカント・カルテット[ アンティエ・ヴァイトハース、ダニエル・セペック(Vn)、ダベア・ツィンマーマン(Va)、ジャン=ギアン・ケラス(Vc)],アンティエ・ヴァイトハース (Vn),ダニエル・セペック (Vn),ダベア・ツィンマーマン (Va),ジャン=ギアン・ケラス (Vc),シルケ・アヴェンハウス (Pf)
- 出版社/メーカー: Harmonia Mundi France
- 発売日: 2009/09/15
- メディア: CD
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