1月3日(月)

この日は通しで観劇。昼夜の入れ替え時間に今年も近くの生魂神社にお参りしたが、本殿の参拝は行列が長くて時間が足りなさそうだったのであきらめ、周りの小さなお社のいくつかに。甥が受験生なので天神さんと、一応縁結びのと(笑)、浄瑠璃神社と。



鶊山姫捨松(ひばりやまひめすてのまつ)
 中将姫雪責の段 千歳・清介、嶋・清友・龍爾
文雀の中将姫、玉也の岩根御前、清五郎の浮舟、簑二郎の桐の谷

当麻寺の曼荼羅を織ったことで知られる中将姫伝説を元にした作品。
ここでは継母の岩根御前に雪の中で折檻される様子を描く。もうただひたすら耐えるだけの可哀想なお姫様で、文雀の姫はあくまで気高く健気で、人形なのに本当に涙を流しているかのようで胸を打たれる。
嶋大夫も冷たい雪の中での折檻に耐える姫の悲しさと、どこまでも非道で残忍な岩根との対比を聴かせ、最後の父と姫の別れを切々と描いた。

傾城恋飛脚(けいせいこいびきゃく)
 新口村の段 希・寛太郎、呂勢・清治、綱・清二郎
玉女の孫右衛門、和生の忠兵衛、紋壽の梅川

これまた雪景色の中の話。まあ時期はあってますがね。
そこにいると知りながら、会うに会えない父と息子、間を取り持つ嫁。義理と人情のせめぎ合いが切ない。
玉女の孫右衛門はやや動きが硬い。もう少し年寄りっぽく見せた方が親の悲しさが出るかと。
紋壽の梅川がさすがにしっとりと美しく、優しさに満ちている。
和生の忠兵衛もすっきりとした二枚目。

呂勢と清治が忠兵衛梅川の苦衷を聞かせ、特に清治の音色にしんしんと降る雪の冷たさが感じられる切なさ。
綱と清二郎は孫兵衛の悲しみ、二人の申し訳なさをじっくり。ん~、でも正直言うと、綱さんにはこの場面はちょっと合わない気も。

小鍛冶(こかじ)
三輪・文字久・芳穂 他、 富助・宗助・團吾・清公・錦吾
清十郎の宗近、勘十郎の老翁実は稲荷明神
能の「小鍛冶」を元にまず歌舞伎化されて、さらに文楽になった作品。歌舞伎ではまだ見たことないな。
前半は松羽目ものらしい、厳かな雰囲気。
後半は稲荷明神が激しく舞うように動きながら、宗近と剣を打つのが見せ場。稲荷明神は三人とも出遣い。左が幸助、足は簑次。勘十郎が大きな動きながらも乱れない美しさでさすがに立派。迫力あってみとれました。
清十郎も落ち着いた品のある様子。
三輪大夫と文字久大夫も凛とした緊張感ある語り。文字久さん、12月公演後半は声嗄れしていたと聞いていたが、しっかり回復していて良かった。

終演後ロビーで清二郎さんが奥さんと立ってご挨拶されていた。4月に襲名控えてるからね。綱大夫ともどもがんばっていただきたい。