3月29日

3月ももう終わりなのにめちゃくちゃ寒い。どうなっちゃってるんでしょう。
とても外に出ていく気になれなくて、でもお花見に行くなら今日しかないのよね、と家でうだうだしていたら、昼前になってちょっと日が射してきた!今だ!と大慌てで支度して出かけました。

目指したのは駒込の六義園(りくぎえん、と読みます。念のため)。ツツジや紅葉の季節に来たことはあったのだけど、桜は初めて。

桜と言ってもソメイヨシノではなく、枝垂れ桜です。
ソメイヨシノより早咲きなのか、もうほぼ満開。


樹齢約50年とか。大きくて写真に収まりませんでした。


横から見ると枝が大きく張り出しているのがわかります。


下から見上げると、曇り空に花が滲んで墨絵のようです。


広い園内に枝垂れ桜はこの1本だけ。なんだか孤独な女王様のようでした。


ソメイヨシノよりちょっと色が濃いめで可憐な花。

この時期は、枝垂れ桜以外はほとんどお花も咲いてなくて、この一画の他はちょっと寂しいお庭です。
この天気でさすがに人もそれほど多くはなく、じっくり見られましたが、やっぱり雨が降り出したので早々に退散しました。それにしても、帽子、マフラーに手袋で完全防寒姿でのお花見って……(苦笑)。

ちなみに六義園は、元禄時代に柳沢吉保の下屋敷だったところです。時代劇の忠臣蔵には必ず敵役で出てくる、将軍綱吉の側近だった人ですね。(歌舞伎の「仮名手本忠臣蔵」には彼に模した人は出てきません)
おそらく綱吉もこの庭園を訪れたのではないでしょうか。
さらに時代が下って、明治時代には今年話題の岩崎弥太郎の手に渡り、その後東京市(まだ「都」じゃないのね)に譲渡されたそうです。なんだか歴史を感じますね。

かの枝垂れ桜は、戦後移植されたとのことなので、もちろん吉保も弥太郎も見ていないのですが、この広く美しいお庭を眺めながら、二人は何を考えていたんでしょうか。

雑学ついでに、駒込はソメイヨシノ発祥の地なんだそうです。明治の頃、駒込の染井村の植木屋さんが作った品種なんですって。六義園の中にソメイヨシノはあまりありませんでしたが…。